昨日は色んなことがあった。さすがの俺でも疲れる。そう思いながらも玄関で靴を履く。
父さんと晃にそう言い、家を出た。今日は朝練がないため、昨日よりも少し遅めに家を出た。すると、隣の家から運悪く花恋が出てきた。
カップルでもあるまいし、朝からこんな会話はしたくない。できれば話したくもない。しかし、ここは従わないと晒されては困る。
そうなんだ-。心の中で言ってみた。でも、何を願おう…。別にこれと言ったことはないしな-。
そして、今日の2時限目には花恋が言っていたように、七夕に何を願うかという小学校のような内容だった。
やっぱり、モテるやつは違うな!と思いながら自分のを考え始める……。どうしよう…。
うわっ、よりによってこいつに聞かれるとか……、ついてなさすぎる。
まじで、この2人のセットは強烈すぎる、疲れる。早く席替えしたい。
花恋の言う通りだ。確かにちょっと嫉妬することもある。でも、憧れはしない。俺はもうちょっと運命的な-。
なんだよこいつ、頼んでもらえるだけいいじゃねーか……。ほんと持ち腐れが!
えっ、まさかこいつ……。
あー、まじかー、しんどー…。もっとこう、お互い惹かれ合うような出会い方がしたかったな。とか考えるけど、しょうがない。
考えているうちに2時限目が終わった。
次の日。【7.7】
今日は土曜日。珍しく部活もないから今日はずっと家でゲームをするつもりでいた。ゲームっていうのは今流行っている、【personality origin】というモバイルゲーム。日本語で言うと、【人格起源】色んな死んだキャラクターがいてそのキャラクター達の原点とか探すゲームだ。最近自分の中でハマっている。
そのゲームを開いた瞬間-。
家のインターホンがなった。
誰だろう?そう思って、玄関のドアを開けてみる。
いや、分からない。白いワンピースにキャップ何となく、花恋のギャップが感じられる。
なにも準備してないのに、花恋が俺の腕を引っ張ってきて、俺は無理やり外に出される。
手を引かれること数分、急に花恋が止まった。
また腕を引かれて俺は花恋に誘拐されるような形で海に行くことになった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!