その後、2年の十川八郎が家康の手にかけられた。
そして連続で同じ旗印を出し、
また一人の生徒が犠牲になってしまった。
怒りを露にする今川義元に、竹中重治が言う。
段々と荒れ出した教室に、信長の声がこだました。
改めて聞くみやびに何名かが賛同する。
言い放った信長に、クラス全体がずっこける。
打って変わって不安そうな顔をした信長に、次々とヤジが飛ぶ。
声を上げたのは上杉だ。
これにニヤリと井伊が笑う。
さすがの上杉もフードを取って立ち上がる。
表情もイラついている。
二人の拳がぶつかるというとき、扇子が手に挟まっていた。
信長のものだ。
扇子をとり、腕を叩く。
そして無理やり握手させる。
また教室に脱力の声が溢れる。
と、ドアにもたれる黒田が声を張るように言う。
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ホワイトボードの前に座った黒田による"策"の説明会が始まった。
後ろから現れた加藤に皆の視線が動くなか、秀吉は旗印戦のことを思い出す。
強がり気味な秀吉に、加藤は満足げだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。