教室の外で、みやびはカードフォンに目線を落とした。
黒田が信長派に協力してくれることになり、情報もくれた。
今川、井伊の他に、竹中と真田も家康派、"裏切り者"らしい。
にらめっこをしていると、教室に黒田が入っていった。
【裏切り者は黒田、そしてまだ他にもいる】
その張り紙を見るなり、ため息をついた。
伊達が黒田に近づき、拳を振りかぶる。
黒田の顔にそれがぶつかる、というところで、誰かの掌が受け止めた。
伊達と自分の腕を下ろすと、鼻でため息をつく。
あなたがポツリと呟くと、軽い太鼓の音が聞こえた。
太鼓のバチを持った信長が横を見ると、武田がニヤリと笑う。
伊達に信長に向き合うと、黒田が拳をついた。
家康は、早々にPBB作戦を見抜いていた。自分の策を先回りされた。そんな男に、惹かれてしまった。そう悔しそうに俯いて言った。
黒田は伊達に頭を下げた。
土下座というやつだ。
黒田は断固として受け入れようとしない。
伊達は作戦再開は出来ないと言う始末。
みやびがそう言い放てば、武田が教室を出ていこうとする。
その後、黒田による美術室でのお説教が始まるのであった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。