第3話

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2018/12/23 10:43






“ っ、 ”


口の中を切ったようでじんわりと血の味が広がる


容赦なく降ってくる掌に耐えながら


この時間が早く過ぎ去ることばかりを願う







「 お前なんかこの世からいなくなればいいんだ! 」








なんでそんな事言うの
私なにかした?
ひどいよ お父さん




「 俺はなぁ…頑張ってるんだよ 」


「 なのに…なのに 」


「 あいつらは…!! 」






そう叫んで


私をまた殴る








「 お前なんて…! 」
そう叫び今度は私の首を掴んだ








なに、するの…


嫌な予感がし冷や汗が背中を伝う











その予感はどうやら的中したようで


だんだんとその手に力が入り私の首を絞める


“ かはっ… ”






苦しい


うまく息が吸えない
こんなことされるの初めてで
私は咄嗟にお父さんの手首を掴む









このままじゃ


死ぬ










嫌だ


死にたくないっ







そう思ったら体が勝手に動いて


気づいた時にはお父さんの胸元を蹴っていた





「 ぐっ… 」
お父さんが後ろに倒れる








今だ
ううん、今しかない









私は立ち上がって


震える足に力を込めドアノブに手をかけた









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