あなたの下の名前side
ふと、テレビでの海特集を見て思い出す。
私は海が好きだった。
今日は先生にお願いして
特別に少しだけの退院許可を貰って
サナと一緒に来た海に来た。
サナに引っ張られて走って、
砂浜に着いたら
海寒い、、なんて言って砂で遊んだんだっけ、、
2人の名前を砂浜に書いて、、
波にさらわれて消えていくのを見てた。
すぐ消えちゃうね、
なんて言って笑ってたり
強風が吹いて
サナの帽子が飛んで行ったんだっけ、、
海に落ちてめっちゃサナが凹んでて、、
それを見て私は笑ってて、、
幸せだったなぁ。
砂浜に書いた名前を
また探す日が来たら
「明日ね」って笑顔で
言える日が来ますように
そう願いを込めて
自分一人の足跡で、、
自分一人の足跡に
涙がこぼれて
夕日を眺めた
突然、体にすごい衝撃が走った。
今までに体験したことないくらい
強い衝撃。
これは、、やばい、、
その場で地面に蹲り立ち上がれなくなってしまった。
とりあえず、、
誰かに電話しなきゃ、、、
ジヒョside
サナとランチをしてたら突然携帯がなった。
あなたの下の名前からの電話、、
声からしても相当弱ってた。
今日は少し覚悟しないと行けないかもしれない。
なんて不謹慎なことが少しだけ頭をよぎったけど
すぐさま今しなければいけないことを考えた。
私は車もってないし、、
それを言った途端サナの顔の血の気が一気にさめたきがした。
そう言い残したサナはとても辛そうな顔をして走って車まで行っていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。