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第4話

イケメンその3:上から目線生徒会長
 そこにいたのは、自転車を押して歩く、うちの高校の生徒会長だった。
果南
あ、はい。ええと、生徒会長……
朋也
松田朋也、という。覚えていた方がいいよ
果南
はあ……
 正直、私はこの人が苦手だ。初めて見た時、なんか上から目線で偉そう、と思ってしまったからだ。でもうちの学校の女子の間では、ファンクラブができているらしい。
 確かに顔はいいと思う。清楚な黒髪、きりっとした目鼻立ち。イギリスの貴族でこんな人いそうな気はする。ただ私は苦手だ。第一印象が悪すぎた。
朋也
ところで何をしているんだい? この近辺でうちの生徒と会うことはないと記憶しているけれど
果南
えっ、あー、いや……
朋也
まさか非行……いや、疑うのは良くないね。迷子かな?
 さらっとひどいことを言われた気がする。だから苦手なんだこの人。
果南
迷子と言うか……。交番に、行こうと思ってまして
朋也
交番?
果南
はい。実は、学校を出てからずっと、不審者に付きまとわれてて
朋也
なんだって?
 まあそりゃびっくりするよな。
 と思ってたら、生徒会長が私の手を握って、ふわりと笑いかけてきた。……えっ何。
朋也
そうだったのか。一人で心細かっただろう。俺もついて行くよ
果南
えっと?
朋也
ずっと、ということは、今も付きまとわれているんだろう。うちの生徒を危険の中に置き去りにするわけにはいかないよ
果南
はあ
 何だろう、距離が近い。
 でも心細かったのは事実だし、ついてきてくれるのは非常にありがたい。
果南
じゃあ、その、お願いします
朋也
了解した。交番の場所は分かるかな?
果南
はい、調べました
朋也
ということは行ったことはないんだね。案内しよう
 だから距離が近い!
 ……ただ、自然とエスコートしようとしているところはやっぱり貴族っぽい。これはファンクラブが出来るのも分かる気がする。

*   *   *

朋也
そういえば名前を聞いていなかったね
果南
あ、はい。一年二組、上田果南です
朋也
一年生だったのか。よろしくね。改めまして、三年三組の松田朋也だ
果南
よろしくお願いします、生徒会長
朋也
ここは学校内ではないんだから、普通に先輩、と呼んでほしいな
果南
あっ、すいません、先輩
 生徒会長、もとい先輩と歩きながら、私はあたりを見回し続けていた。
朋也
大丈夫だよ。俺がついているから、心配しなくてもいい
 先輩はそう言って笑ってる。どうやら、私が不審者を警戒しているように見えたらしい。
 でも実際は違う。私が警戒しているのは、同じ学校の生徒だ。
 だって、ファンクラブができるレベルの人気者の先輩と二人で歩いている、なんて見られたら、ファンの女の子たちに殺されかねない!
 そんな私の内心を知らず、先輩はずっと話しかけてきている。たぶん私の気を紛らわそうとしているんだと思う。……いい人だ。
果南
……意外ですね
 だから、うっかりこんなことを言ってしまった。
朋也
うん?
果南
あっ、いえ、こんなに親身に接してくれるとは思ってなくて
朋也
当然だよ。うちの生徒が困っているんだ、助けるのは俺の役目だろう
果南
やっぱり生徒会長ですね
朋也
はは。それに、女性には優しくしろと教えられてきたから
 ずるいなぁ。いい笑顔でしれっとそんなことを言うんだから。人気が出るのも頷ける。見た目すっごい偉そうだし実際偉そうだったけど、ちゃんと理由があるんだ。ファンクラブ入会とまではまだ行かないけど、苦手意識は無くなったかもしれない。
果南
先輩、モテるでしょ
朋也
何だい急に。そりゃ女性に囲まれることは多いけど
果南
囲むでしょうねー世の女の子たちは
 こんな、だいぶ打ち解けた会話をしつつ、私たちは角を曲がった。
 曲がって程なく、先輩はちらっと後ろを見た。例の不審者を見つけようとしたんだろう。
朋也
!?
 ところが、先輩は驚いた顔で、急に立ち止まった。
果南
先輩?
朋也
……上田さん。ちなみに聞くけど、不審者というのは、フードにメガネのあいつのことかい?
果南
えっ、あ、はい……
 何事だろう。
 先輩は立ち止まったままだ。それどころか、自転車の足を出してその場に立たせた。
朋也
おいそこの。こっちへ来い

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瑞浪レオナ
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