無料ケータイ小説ならプリ小説 byGMO

第2話

イケメンその1:他校のナンパ男
??
不審者かぁ。女の子って大変だなぁ
 私は、先ほど出会った四人組と一緒に歩いている。
 女の子が一人で交番に行くより、何人かで行った方が話を聞いてくれそうだし。
 それにちょっと、不安もあった。なにせ不審者に追いかけられるなんて初めての経験だ。
結城
あ、名乗ってなかったな。俺、結城っていうんだ
果南
上田です
 現状を彼らに話したら、「じゃあ俺たちも一緒に行くよ。こんだけ男が周りにいたら不審者も近寄らねえだろ」と言ってくれたのだ。やさしい。
果南
すみません、わざわざ。用事とかありませんでした?
結城
あーあー大丈夫! 大した用事でもねえし
 結城さん、意外といい人っぽい。
 ただ後ろの男子たちがくすくす笑ってる。大した用事だったのかは分からないけど、結城さんはこの中でいじられポジションみたい。
結城
まーこれを機に……なんて……
果南
はい?
結城
いやいや別に!
 結城さんがお友達から小突かれた。それに結城さんが抗議するけど、顔は笑ってる。
 何だろう、こういう関係の友達っていいなぁ。ちょっと憧れる。
 自然と笑顔が浮かんでくる。結城さんには悪いけど、私は楽しいな、と思いながら歩いていた。

結城
あれ?
 駅前の交番に着いた。
 結城さんと二人で入ったけれど、そこには誰もいなかった。
果南
無人……
結城
まじかよぉ。おーい、おまわりさん、いねーの?
 結城さんが叫ぶけど、誰も出てこない。机の上には「巡回中」と書かれた看板が置いてあるだけだ。
結城
……どーする? このまま待つか……
果南
別の交番行った方が早くないですか……?
結城
まあ……いつ戻るかもわかんねーもんなぁ……
 ぼやきながら交番を出る。結城さんは仲間の所へ行って、スマホをいじりだした。
 私も手元を覗き込む。
結城
えーっとこの辺の交番は……
??
こらーそこ! 不純異性交遊!
結城
げっ!? 長谷川!
 突然声がしたかと思うと、結城さんたちは慌てて荷物を抱えなおした。
結城
ごめん! 生徒指導に見つかっちまった!
果南
あっ、はい、ええと、がんばって……
結城
ほんとごめん、じゃあな!
 そう言って、ばたばたと駆けて行った。
 声がした方を見たら、釣り目で刈り上げの長身の男性が走ってきていた。あれ、あの人も結構整った顔してる。不純異性交遊とか言ってたから、きっと恋愛禁止の校則でもあるんだろうな。でもあそこ、別に男子校ってわけではないんだけど。とりあえず大変そうだ。
 とにかく私は別の交番に行かなくちゃ。スマホを片手に、私は歩き出した。

*    *   *

 一番近い交番は、どうやら隣の駅前まで行かないとないらしい。しかも私の通学とは反対方向だ。
 一駅だけ電車に乗るのも何かもったいないので、この際思い切って歩くことにした。
 が、ここで問題が発生して。
果南
(アイツいるんだけど!?)
 駅前で撒いたと思ったのに、例の不審者はまだついてきていた。奇跡的に見失わないでいたらしい。そんな奇跡いらなかった。
 隣の駅に行くまでに、もう人通りの多い道はない。線路の高架があるだけだ。
果南
(やっば……。こんな道で追い詰められたら一巻の終わりなんだけど)
 そんな風に、後ろをちらちら見ながら歩いていたら。
果南
わっ!?
 何かに足を引っかけ、思いっきり転んでしまった。
果南
いった……
 転ぶなんて久しぶりだ、どれだけ前を見ていなかったんだろう。
 なんて思っていたんだけれど。
??
おい
果南
!?
 急に声をかけられて、そちらを見て……やっちまったと思った。
 そこにいたのはどう見てもヤンキー。鋭い目つきで茶髪に赤メッシュ。服も、特攻服っていうんだっけ、めっちゃ派手な刺繍が入ってる。
 どうやら私、このヤンキーに足を引っかけてしまったらしい。
 ああ、きっと私は、不審者云々以前に、このヤンキーにボコボコにされるんだろうな……。

シェア&お気に入りしよう!

この作品をお気に入りに追加して、更新通知を受け取ろう!

瑞浪レオナ
Vantanバッジ
瑞浪レオナ
よろしくお願いします
恋愛の作品もっと見る
公式作品もっと見る