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第3話

イケメンその2:道端のヤンキー
 そう思って、とっさに目をつぶったんだけど。
??
果南
え?
 目を開けると、ヤンキーは私の足を指さしていた。
??
血が出てる
果南
あっ……
 言われて気が付いた。どうやら転んだ拍子に擦りむいたらしい。子供か。
??
……待ってろ
 そう言うと、ヤンキーは鞄を漁りだした。ず、随分大きいボストンバッグですけど、何が出てくるんでしょうか……?
 と思ったら、出てきたのは救急箱だった。
??
こっちへ
果南
あ、はいっ
 腕を引かれて、道路わきに座らされる。どうやら手当をしてくれるらしい。あれ、意外とこのヤンキー、優しい……?
 それだったら、いつまでもヤンキー呼びは失礼かもしれない。
果南
ええと、あなたは……?
相模
……相模だ
 ヤンキー、じゃなくて相模さんは、それきり黙ってしまった。
 それに相模さん、意外とイケメンかもしれない。近づいて分かったけどまつ毛長いし。髪の毛は猫毛っていうのかな、ふわっふわだ。さっきの結城さんとは違う感じ。あとこの人も彫りが深い。地黒なのも相まって、外国の血が混じってるんじゃないかな。
 でもきちんとヤンキーなんだよね。腕とか首筋とかに、タトゥーっぽいのが見える。……本当に掘ってるのかな? タトゥーに見えるシールとかもあるらしいけど。シールだったらいいなぁ、なんて。
相模
済んだぞ
 考え事をしていたら、相模さんの声で現実に引き戻された。
果南
あっ、ありがとうございます……
相模
ふん
 お礼を言っても、相模さんはそっけなかった。こちらを見ずに片づけをしている。
果南
……お優しいんですね
 私がぼそりと言った言葉に、相模さんは動きを止めた。……え、私だめなこと言った?
 相模さんはじっとこっちを見ている。目線が心なしか鋭くなっているような……。
相模
あんたは、
 言いかけたところで、ブーブーとバイブが鳴った。
 とっさにポケットに手を突っ込むけど、私のじゃない。相模さんだ。
 その相模さんはスマホを取り出すと、私に背を向けて喋り始めた。律儀だ。
 でも返事が「はい」とか「わかった」とか、とっても短い。相手誰なんだろう?
 最低限の返事で通話を切った相模さんは、救急箱を鞄にしまうと、そのまま歩き出して……。ってちょっと!
果南
えっ、あの、どうしたんですか!?
相模
……呼び出しだ
 振り返ってくれたけど、すっごく面倒くさそうな顔をしてる。でも答えてくれるんだ、やっぱ律儀だ。
果南
呼び出し……?
相模
喧嘩
果南
えっ
 固まった。
 まあでも、そうだよね。ヤンキーだもんねこの人。喧嘩ぐらいするよね……。正直あまり想像できないけど。
 相模さんはもう用事はないと言わんばかりに歩き出している。
果南
け、怪我しないでくださいね!
 思えば、救急箱を持っていたのも、手当がうまかったのも、よく喧嘩をしているせいかもしれない。ヤンキーだからそういうのに巻き込まれるのは仕方ないだろうけど、私はこんな言葉しかかけられない。言葉をかけていいのかも、正直分からない。
 でも相模さんは、私に背を向けながらひらひら手を振ってくれた。うん、やっぱり優しい人だ。

*   *   *

 相模さんと別れて、私はまた歩き出した。
 ……のはいいんだけど。
果南
(まだいるんだよなぁ……)
 例の不審者はまだついてきている。しつこい。
 周りの人に助けを求めようにも、人がいない。スマホの地図を見ても交番まではまだ遠いみたいだし。こんな事なら、さっきの交番でおまわりさんが帰ってくるのを待ってればよかった。
 せっかくテストが終わって、思いっきり遊ぼうと思ってたのに。
 どんよりした気分で歩いていると。
??
あれ、君はうちの生徒かな?
 声をかけられた。

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瑞浪レオナ
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