左馬刻side
痛てぇ…
俺みてぇなガキ1人に大人10人とか卑怯過ぎんだろ
俺ももうダメかもしんねぇ
短かったな俺の人生も
妹も小さいのに置いてって悪かったな…
─青い空を仰いで笑う─
不意に自分を囲んでいた男達の情けない声が響き暴力が止んだ
『おい少年くたっばってんじゃねぇ強くなれ』
そんな声が聞こえた荒い口調に似合わない可愛らしい声が耳に届く
頬に冷たいものが当たる
『これ飲みな、ベンチ座るか??』
驚いたあれだけの大人を1人であんな一瞬でか??
「お前が1人であいつらを殺ったのか…??」
『はは そうだね一瞬だったなつまんねぇw』
「お前女だよな」
『女だからって舐められるの嫌いなんだよ』
「悪かったな、ところでお前の名なんて言うんだよ」
『じゃあな少年』
「おい、おら待てって あっ痛って」
───おい────
夢から覚めた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!