微かに残っている今の人格で最後に言いたかったことを言おうとする
左馬刻はもう一度あのキスをした
煙草の味苦い
それと同時に今の人格は完全に消えてしまった
誰だコイツは
左馬刻が私にキス??
左馬刻の顔が赤い可愛いやつ
左馬刻side
あなたの言ってた人格ってこの事かさっきまでの記憶がまるでねぇ
ってことはこれが昔の記憶って事か
コイツは昔俺を好きだった??
俺はコイツを知ったのは
あの時が初めてだった
その前から俺の事知ってたのか
あなたは嬉しそうに顔を赤くして微笑んだ
愛おしくなってあなたを抱きかかえる
夢野幻太郎の事も今らな覚えてねぇ
このまま俺のものにしたいなんてワガママだろうが
そんなこと知らねぇ
こっちは何年もコイツを待ってたんだからな
跡つけてたからお前を助けられたんだよと恥ずかしそうにあなたは言った
一生守ってやりたい
一生離さない
深いキスをもう一度すると
あなたは寝てしまった
とても満たされた気持ちなのになぜか罪悪感があった
あなたの全てを自分のものに出来ていない
これはあくまで昔のあなただからな
あなたside
左馬刻の言うことが刺激的すぎてどうも顔が熱くなる
こんなに人から愛を受けたのは初めてだ
左馬刻が悲しそうな顔をして何か言ったがよく聞こえなかった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。