窓から聞こえる
鳥の声と
ピピっと携帯から鳴る
アラームの音
どうやらもう朝みたいだった
いつのまに家に着いたんだろ
パジャマだし
怪我も処置してる
一体私は昨日どうやってなに
したんだっけ
ぼーっとしながら
洗面台に行くと
ひどく自分の顔じゃない
顔だった
...うそ
なんかもうだるいし
今日休もっかな
"ごめん2人とも今日だるくて💦
休むね。お見舞い期待してるよ"
っとLINEをしといた
一応親は共働きで
私のことは無関心
でもこんな豪華な暮らしを味わえるのは
親に感謝だった
ーーーーーーーーーーーーーー
何時間経ったんだろう
気づけば布団で眠ってたみたい
ピーポーん
もしかして来たのかも!?
っと胸を膨らまし
ドアを開けるとだいすきなふたりが
いた
二人は口々にだるい
っと連呼
買ってきた袋を私に
見せるかのように
私の前にゆらゆらと揺らしながら
見せてくる
でもそんなこといいつつ
だるさは一方にひどくなるし
熱が高まった気がする
焦りながら二人はどうしよ
どうしよって
大丈夫...って言いたいの
ごめん無理だった
喉の痛さがひどくて喋れない
ピーポーん
また鳴り響く
音。今度は誰だろ
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一階から聞こえる君の声
あんまり聞こえないや
コクコクと頷くことにしか
私はできないみたい
ほんと役立たずは
私の方じゃない?
真奈...どうしちゃったの
彼氏彼女だよ
その関係...
ゆうまくんと真奈羨ましいよ
私もそんな関係になりたかったな
おそらくのその彼から
のお誘いLINEを
ほら!ほら!
っと見せつけて
っと言って帰ってしまった
ねぇもうわかった
私たちを二人っきりにしたいんだって
もう!なにしてんのよあの2人
声が...でた
やっぱり好きな人と一緒にいると
魔法が使えるのかな?
恋ってすごいな
すんなり帰っちゃうんだ
でもしょうがない
私が追い出したようなものだから
ベットから降りれないから
手を軽く振って
もときから背を向ける
でもダルすぎて死にそうだから
もうだめ
私死ぬかも
ーーーーー1時間後ーーーーー
なに
一階から食器の音が聞こえる
誰かいるの?
両親?そんなはずない
二人は帰ってくるわけないのに
寝れば治る
寝ても治らないよ
薬すら飲んでないし
水分も食べ物も口に含んでないのに
治る人なんか免疫力すごいよ
一階に下りると
だいすきなもときがいた
"優しくしないで"
っと私の心の中に
何度も何度も現れてるのに
言葉にしないのは
もときがいるから素直に喜んでるんだ
もときの顔は一瞬こわばった
あっそっか
もとき...両親と上手くいってなかったっけ
机に置かれたおかゆを
口に運ぶ
素直に口から出た言葉を
純粋にもときは
喜んでた
あっという間に完食
手渡された薬
家にあるものとしては
記憶にないのに
コクっとうなずく君
いいよ
今なら素直になれる
熱のおかげかな?
ありがとう...
勇気をくれたあなたに
顔を真っ赤にした
かわいいな
そうだいすき
かわいい
あいしてる
その言葉が今の君に当てはまってる
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!