あなた『 … 先輩 、 ? 』
道枝「 ん、 あ、 … ごめん。」
あなた『 … いやぁ、 』
side あなた
突然、触れた道枝先輩の綺麗な唇
いつも綺麗なって見ていた口が
いつの間にか見えなくなって、
そして、私の唇に触れる
決して、嫌だったわけじゃない。
けど、驚きが勝ってしまって、
何を言えばいいのかわからない。
沈黙が続くこの時間
初めて、気まづいって 思ってしまったのかもしれない
side 道枝
突然、あなたに触れたくなって
惹かれるように、あなたにキスを。
あなたを独り占めしたい、触れたい
そんな、悪い欲が急にでてきて
俺の気持ちを止めれなくした。
けど、あなたの表情を見たら
やっぱり、迷惑やったなと感じる
嫌やったかなって。
この沈黙の時間。
俺からした癖に、言葉が出てこない
なんて言えばいいのかわからなくて、
永遠と続く、静かな時間
初めて、気まづいって思ってしまったかもしれない。
道枝「 ごめん、俺、今日は寝るな 、」
あなた『 あ、はい、 』
結局、俺は逃げてしまった。
さっきのキスの意味も
気持ちも伝えないまま。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。