あなた『…っ!?』
私は西畑大吾を突き放した。
するとフッと笑う。
大吾『俺、あなたさんに一目惚れしたんやで?』
あなた『…そう』
大吾『ま、あいつの事が好きなんやったらしゃーないもんな』
あなた『キスとか…やめてよね』
大吾『んー』
西畑大吾は適当に返事をして歩いていった。
芽衣『…こんな感じはどうですか?』
大吾『お、結構ええやん?』
芽衣『よかった…』
部屋に戻ると一瞬私の方をちらっと見た。
そして近づいてきた。
芽衣『あのっ』
あなた『…?』
大吾『ん?』
芽衣『2人は…どういう関係なんですか?』
そう言った浅田芽衣の顔は少し強ばっているのが分かった。
結構惚れてる。
大吾『そうやなぁ…』
あなた『…余計なこと言わないでよ』
私は小声で彼に言った。
するとまたニヤッと笑う。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!