丈一郎『もう…別れよか』
あなた『…なんで』
丈一郎『このままじゃお互いが辛いだけやからさ』
そう言って頭を優しく撫でた。
前より雑に撫でる。
友達の頃のように。
丈一郎『…また友達として、仲良くしてほしい』
あなた『…うん』
丈一郎『…ほら、やる事あるやろ』
そう言って丈は私の携帯を渡した。
丈一郎『今すぐそいつに会ってこい』
そこには“西畑大吾”の文字。
私は頷いて丈の家を出た。
丈一郎『…ありがとな』
あなた『…っはぁはぁ!』
私はある所へ走った。
途中でタクシーを捕まえる。
冗談だと思われてる。
もちろん逢いに行くよ。
すると既読がついてメールが来なくなった。
彼の家の近くに着き、タクシーをおりる。
大吾『あなた』
あなた『…大吾』
すると家の前に立っていた。
彼は携帯を片手に私を見て固まる。
あなた『…っ』
大吾『…!?』
私は走って西畑大吾を抱きしめた。
少しよろけて2人してしゃがんだ。
大吾『…どしたん』
あなた『…やっと分かったの』
大吾『…』
あなた『…私…大吾が好きだって』
すると彼は目を逸らす。
耳が赤い。
あなた『…だからっ…!?』
すると唇に柔らかい感触がした。
ゆっくり顔が離れる。
大吾『…やっとや』
あなた『…』
大吾『やっと手に入った』
そう言って愛おしそうに見つめる。
大吾『もう絶対、離さへんから』
そしてまた、唇が合わさった。
悪役だって恋が出来るの。
そして今日から私はヒロイン。
ーendー
終わりましたぁ〜!
いやぁ、丈くん切なすぎたな😭
新作もよろしくです!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。