第99話

おばあちゃんからの御手紙
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2020/08/08 12:43
死柄木 「お前はな、敵なんだよ、あなた。」


あなた 「……………は?」



え?今なんて言ったのあいつ。(伽羅キャラ崩壊)


私が敵?






嘘でしょ??





死柄木 「はっ、思った通りの反応。」


トガ 「この子、トガ達と同じ仲間って事ですか?!」


荼毘 「知らねぇわ。」




待って、勝手に話進めないでほしい。





あなた 「私、あなた達の仲間になった覚えないんですけど。」



いきなり、敵って言われても本当に何が何だかわからない。



死柄木 「まあ、そりゃそうだな。黒霧、引き出しからあれ出せ。」


黒霧 「…死柄木、宜しいのですか?あれは…。」



死柄木 「良いから。こいつに宛てたやつだろ、あれ。」


黒霧 「……………分かりました。」



黒霧は引き出しから、封筒を出すとそれを私に差し出してきた。


あなた 「…何ですか、これ…。」


黒霧 「これは貴方のお婆様が、 遺したのこ手紙です。あなた宛てだと思われます。」


私は受け取って、早速封筒を開ける。


中には、手紙が入ってあって便箋にびしっと文字が書いてあった。



おばあちゃんの字…………。


とても綺麗で、でも、少し癖のある字。








あなたちゃんへ ────


この手紙を見てるって事は、貴方の存在が敵にバレたのね。

多分、敵の方から説明受けたのかしら。

あなたちゃんが敵だったって事。


本当にごめんなさいね。

ちゃんと私の口から説明しようと思ったんだけど、やっぱり言うのが怖くて……。

もしかしたら、もうおじいちゃんから聞いたかもしれない。

けど話すわね。


おばあちゃんね、小さい時、家族と離れ離れになっちゃって、敵に拾われて学生になるまで育てられていたの。


そこからも、拾ってくれた恩返しって形で、敵連合に入っていたんだけど、おじいちゃんと会って連合から脱退したの。


今の敵の皆さんは分からないけど、おばあちゃんの時代の敵の皆さんは、本当に優しくて…


ヒーロー目指してるあなたちゃんにこんな事言ったらだめだけど、とても良い人達だったのよ。



それでね、おばあちゃんとおじいちゃんの間にあなたちゃんのお母さんが産まれて、お父さんと結婚してあなたちゃんが産まれて…。


お父さん、お母さんが亡くなっちゃった後、あなたちゃんは覚えてないと思うけど、一回、この場所に来たことあるのよ。


敵の皆さんがあなたちゃんを敵に入れたいって言ってきたの。


でもね、あなたちゃんにはちゃんと自分の意志で決めてほしいなって思って、断った。



おばあちゃんは、あなたちゃんがヒーローになりたいって言ってくれた時、本当に嬉しかった。


お母さん達の分まで頑張ってほしいなって。


でも、もしこの手紙を読んで気持ちが変わったんだったらおばあちゃんは応援するよ。


おばあちゃんは、あなたちゃんの味方だからね。


大好きよ、あなたちゃん……。


おばあちゃんより






あなた 「おばあちゃん……!」


私は、手紙を胸にあてて泣いた。

おばあちゃんの事、全然知らなかった。

おばあちゃんはこんなにも私の為に悩んでくれてた。

私の事を考えてくれてた。




死柄木 「…あなた。」



あなた 「………………。」



私は、顔を上げ、死柄木を見る。


















死柄木 「お前も、こっち側に来いよ。」

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