渚 「お姉ちゃん!ここだよ!」
あなた 「………………」
来たのは市内の病院。
────おばあちゃんが亡くなった病院だった。
爆豪 「.………………どした。」
あなた 「う、ううん……何にもないよ。」
渚 「ほら!行くよ!」
私は渚に手を引かれ病院に入った。
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渚 「ここがおじいちゃん居る部屋。」
そこは内科の病棟だった。
今から私は11年ぶりぐらいにおじいちゃんに会う。
でもその時はまだちっちゃかったからあまりしっかりは覚えてないんだけど………
渚 「おじいちゃーん、ただいま〜」
祖父 「おぉ、渚…おかえり。」
懐かしい声………
この優しい声、今も変わってないなぁ……
私はどちらかと言うとおじいちゃんおばあちゃんっ子だった。
お母さんとお父さんも大好きだったけどヒーロー活動で忙しかったからよくおばあちゃんの家に遊びに行っていた。
おばあちゃん、おじいちゃんと遊園地に遊びに行ったり沢山お話した。
おじいちゃんは私の欲しいものを沢山買ってくれた。
おばあちゃんの話によると私が『おじいちゃん大好き!!』って言って抱きついた時は少し涙目になってたとか。
そんな日々は敵によって奪われた。
お父さんお母さんが殺されてしまった後、敵から逃げる為、私はおばあちゃんと渚はおじいちゃんと別々に住むことになった。
だから私はそれからのおじいちゃんの事を一切知らない。
渚 「今日はね、おじいちゃんにお客さんを連れてきたの!」
祖父 「おじいちゃんのお客さんか………」
渚 「うん!入ってきていいよ!」
おじいちゃんにどんな反応をされるだろう。
そもそも私の事を覚えてないかもしれない。
だってあんなにちっちゃい時の事だもん。
そんなの当たり前だよね。
でも………………………………
爆豪 「おい、入るぞ。」
あなた 「………………………。」
爆豪 「おめぇのじいちゃんだろ。安心しろや。」
あなた 「……………そうだね。」
私は恐る恐るおじいちゃんが待っている部屋に入った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!