第141話

職場体験最終日
2,557
2021/12/12 05:00
職場体験7日目。  ついに最終日だ。




長かったようなあっという間だったような。










この一週間で、自分でも凄い成長したと感じる。





バックドラフトが決めてくれた2つの課題も、
もうすぐ達成できそうになっている。



水圧を上げる事は出来るようになった。



でも、その強さのまま水を自由に動かす事がなかなか簡単には出来ない。




昨日で個性特訓の時間は終わったから、これは職場体験の課題ではなく、これからの自分への課題になるだろう。











今日は、一日パトロールをするらしい。




この一週間、大きな問題は起きていない。




このまま大きな問題も起きず、平和に終わったら
良いんだけd







「キャァァァァァァ!!」






遠くから、悲鳴が聞こえた。



私とバックドラフトは目を合わせ、急いで現場へと向かった。








あなた「うわっ…………。」



バックドラフト「これは酷いな…。」





現場には、既に何名かヒーローが集まっていた。




しかし、その状態は酷かった。




マンションからは火が出ていて、その近くでは巨大な敵が暴れている。



そして、その大きな手の中には、小さな子供が居た。





子供「助けてぇぇぇぇぇ!!!!!」



敵「ここには、弱っちいヒーローしか居ねぇのかァ!?早くしねぇと、この子助からねぇぞォォ??!!!」




巨大敵は、大きな声で笑い始めた。





バックドラフト「あの敵は、他のヒーローに任せて、僕達は消火活動に専念しよう!!」


あなた「……………。」



バックドラフト「アクアちゃん??」






違う。



消火活動も勿論大事だけど、今私達がする事はそれじゃない。




あなた 「…バックドラフト、貴方の指示に従わないという選択肢はありますか?」


バックドラフト「……え?」







あなた「バックドラフトの言う通り、今私達が出来る事は消火活動。あの敵と戦うのは私達の個性じゃ難しい。」




あなた「でも私達より前に来ていたあのヒーロー達は、未だにあの子供を助けられていない。という事は、誰かが加戦しなくてはいけないのではないでしょうか。」




あなた「………あの子供を直接助ける事は出来なくても、援助をする事は出来るのではないでしょうか。」





私は、加戦したい。



















────── あの子を助けたい!!!!!!







バックドラフトは、私の想いを分かってくれたのか私の目を真っ直ぐ見て大きく頷いた。









それを合図に、私は巨大な敵が居る方向に走った。

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