第93話

私を頼ってね
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2020/06/25 11:01
「私達、もう家族がいなくなっちゃったの。」









真っ直ぐ渚の目を見て言った。





渚 「え……お姉ちゃん、、何言ってるの?」




嘘だよね? と聞き返してくる。

私は、ゆっくり首を横に振る。






あなた 「私もそう思いたいよ。でももうおじいちゃんは…」




渚 「っ…………嘘だ!」


渚は、大きな声で私の言葉をかき消した。





渚 「前、また会おうねって言ってくれたじゃんッ!元気だったじゃんッ……嘘だ…嘘だ……。」



段々、渚の声が震える。




あなた 「………!!」





気がついたら、私は渚を抱き締めていた。






あなた 「渚、ごめんね…………!ごめん……!」




私は、渚を抱き締めて謝る事しか出来なかった。








あなた 「これからは……2人だけど…お姉ちゃん頼ってね……。」





渚は、ずっと黙ったまま。


そりゃそうだよね。






いきなり、私がこんな事言うんだもん。








ごめんね、渚。









渚 「ごめんお姉ちゃん……ちょっと外行ってくる。」




あなた 「うん.…遠い所には行かないでね。」






抱き締めてる手をゆっくり離す。





渚は、立つとふらふらとした足取りで部屋を出ていった。









あなた 「ごめんね………。」





私は壁にもたれて蹲った。














爆豪side


さっきより共同ルームにいる人数が増えたからか騒がしい。



俺はソファに座ってぼーっとしてる。






爆豪 「っるせぇな………。」


上鳴 「まあまあ!そんなこと言うなって!」


爆豪 「お前がうるせぇわ。」



上鳴 「え、ひどいわ爆豪。」






あなたと渚はまだ帰って来てない。



二人がいなくなってから結構時間経ってる。



……あとで行ってみるかな。






切島 「な、あなた兄弟遅くねぇか?」



クソ髪も同じ事を考えていた。



麗日 「だよね…私も思ってた。」



上鳴 「え?あなたちゃん達起きるの早くない?今日、日曜日なのに?」



麗日 「あなたちゃん、朝早くから外行ってたよ?」



上鳴 「何かあったんかな…。」







皆があいつらの事話してると、エレベーターから渚が出てきた。



俯いて腕で顔を隠してる。




切島 「渚?!どうした?!」



クソ髪が渚に駆け寄る。


他の奴らも渚のもとに集まる。




渚 「ううん…大丈夫。ちょっと外行ってくるね。」



渚は、そのまま寮を出ていった。





耳郎 「渚くん、大丈夫かな…。」


切島 「大丈夫じゃないだろ、あれ。俺、心配だから行ってくるわ!」


麗日 「わかった!」




爆豪 「俺、あなたのとこ行ってくる。」





上鳴 「おぉ?!ばくg 」


耳郎 「上鳴、今はそういうの良くない。」


上鳴 「お、おう…。」




麗日 「爆豪くん、ありがとう…!二人とも、お願いしますっ。」



切島 「おう!」


爆豪 「わぁっとるわ。」






クソ髪は靴を履き替えて外に、俺はエレベーターに乗り、渚とあいつの元に向かった。

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