爆豪 「帰ンぞ。」
あなた「…うん!」
空を見ると、夕日が沈もうとしていた。
私達は、教室を出て寮へと歩いた。
久しぶりのかっちゃんとの下校。
もうそれは楽しくてしょうがない。
これまで話せなかった分、沢山話した。
その中には、おじいちゃんとおばあちゃんの事もあった。
かっちゃんとおじいちゃんとの秘密事は、私が予想していた通り、おばあちゃんが元々は敵って事だった。
あと、おじいちゃんにはもう時間が無かったって事。
あなた 「そっか………。知ってたんだ……。」
爆豪 「…おう。」
でも、もう昔の私とは違う。
爆豪 「……………。」
変わるんだ。
あなた 「でも、大丈夫!渚と二人で頑張るもん!」
渚 「頑張ろう!お姉ちゃん!!」
あなた 「うん!………………………ん?」
何か違和感を感じて、隣を見る。
ランドセルを背負った渚がにこにこ笑って、私を見ていた。
あなた 「え!!渚!?!なんで??遅くない?」
いつもなら、もっと早くに帰ってるはず。
渚 「放課後残って、友達とサッカーしてたの!」
あなた 「あぁ、良かったぁ。何かあったのかと思った…。」
渚 「ごめんごめん~!」
絶対に渚とは離れたりしない。
何があっても、私が渚を守るんだ。
私が意を決していると、
渚 「爆豪お兄ちゃん~、生きてる~??」
渚がかっちゃんの背中を叩いていた。
爆豪 「はっ、生きとるわ。」
渚 「だって、余りにも静かだったからさ?」
爆豪 「あの雰囲気で喋る奴がいるかよ。」
渚 「え!爆豪お兄ちゃん優しい!」
爆豪 「優しかねェわ!!!」
渚 「え、優しくないの?」
爆豪 「……………違ぇわ!!!」
この光景、とても微笑ましいなぁ。
ずっとこんな時間が続けば良いのに……。
クラッ
あなた「…ッ!?」
急に視界が歪む。
でも、何とか座り込まずにバランスを保つ事が出来た。
そういえば、先程よりも身体が熱くなってる気がする。
悪化した…………………………。
爆豪 「……大丈夫か。」
そんな事を考えていると、かっちゃんが私の顔を覗き込んで聞いてきた。
あなた 「…うん!大丈夫!ちょっと、バランス崩しただけ…!」
爆豪 「………………………そうか。」
大丈夫。
今日は、ゆっくり休もう。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。