爆豪side
俺はあなたのおじさんに話したい事があると言われて病室に二人きりになった。
今からどんな話をされるか想像がつかない。
されるとしたら………あなたの話か?
祖父 「勝己くん、ちっさい時からあなたと一緒に居てくれてありがとう。本当に感謝しとる。」
おじさんが俺に頭を下げる。
爆豪 「やめろよおじさん。俺がしたくてやってる事だから。」
祖父 「…これからも、あなたをよろしく頼むな。勝己くんなら安心じゃ。」
爆豪 「あなたはぜってぇー守ります。あいつとも約束したんで。」
何がなんでもあいつは守る。
もう最初からそのつもりだった。
って、おじさんこれじゃねぇだろ。話って。
おじさんはずっとニコニコして話してるけど、それは引きつった笑顔で。
話してる間も浮かない表情出してて。
爆豪 「…………んで、話って、深刻な話か?」
祖父 「……ッ、今から言う事はあなたには言わないでおくれ………わしはもう永くはない。自分の口からも言えないことじゃ………。」
俺が頷くとおじさんは俺の目を見て言った。
「 あなたの婆さんは、本当は敵だったんじゃ。」
あなたside
渚 「話、長いなぁ。」
あなた 「そうだね……。なんだろう…。」
私達は同じ階の談話室にいる。
おじいちゃんと同じ歳ぐらいのお年寄りの方もいれば、小さい子供もいる。
小児科も同じ談話室になるらしい。
?? 「ふぇ………。」
渚と話していると弱々しい声が聞こえた。
声がする方を見てみるとまだ4歳ぐらいの子供が一人でぽつんと立っている。
今にも泣きそうな顔で。
渚 「迷子かな……ちょっと僕行ってくる!」
私が返事をする前に渚はその子の元に向かう。
渚はこんなに優しい子になったんだね……
これもおじいちゃんと一緒に居たからだね……
渚 「大丈夫??お母さんは?」
女の子「…ううっ、わぁぁぁぁんっ!」
人見知りなのか渚に話しかけられた途端に泣いちゃう女の子。
渚 「わっ、落ち着いて?大丈夫だよ〜!」
そう言っても泣きやまない。
周りの大人達も迷惑そうに女の子を見てる。
…………大人なら駆け寄るでしょ、普通
あなた 「ねぇお姉さん達と一緒にお母さん探そっか?」
私は女の子に駆け寄ってこう言ったもののまだ泣き
やまない。
あ、そうだ。
あなた 「ねぇ、見て見て!綺麗でしょ?」
私は、女の子の前に手を出して水の結晶を作ってあげる。
女の子 「…わぁ……!!」
女の子は結晶を見ると泣きやんで目を輝かせてくれてる。
これぐらいの歳の女の子って本当に可愛いとか思いながら個性を出して女の子を楽しませてると、
?? 「あ、いた!よかったぁ………」
女の子 「お母さん!!」
女の子のお母さんが此方に向かって走ってくる。
女の子も立ち上がってお母さんに抱きつく。
女の子のお母さん 「居なくなってたからびっくりした……見つかってよかった……!」
女の子 「あのね!このお姉さん達がずっと居てくれたの!お姉さんね、凄いんだよ!綺麗なのたーくさん見せてくれたよ!!」
思わず頬が緩んじゃう私。
お母さん 「本当にありがとうございました。助かりました……、またお礼を…」
あなた 「いやいや!大丈夫です!気にしないで下さい!」
お母さん 「それはできません。困った事があったら何でも言ってください!夫がこの病院に入院していて毎日来てるので。」
あなた 「あ、ありがとうございます……。」
女の子 「ばいばい!お姉さん!また見せてね!」
あなた 「うん!またね…!」
私は女の子の頭を撫でて二人に別れを告げた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。