扉を開けると丁度かっちゃんも同じタイミングで出てきて私達は思いっきりぶつかった。
あなた 「ご、ごめん…!」
爆豪 「別に俺は大丈夫……… って、お前どうした。目腫れてる。」
目が合うや否や、かっちゃんは私の異変に気づいた。
あなた 「あ、全然寝てないからだよ〜。大丈夫大丈夫…!!」
と、私は笑ってみせる。
かっちゃんは余計顔を曇らせた。
爆豪 「嘘つくn 」
麗日 「あなたちゃぁぁぁぁぁん!どこ行ってたん?!心配したんよ?!!」
かっちゃんの言葉を遮ってお茶子ちゃんが私に飛びついてきた。
あなた 「ごめんね!ちょっと気分転換に散歩してたの!」
麗日 「そっか!…って、目どしたん?すっごい腫れてるよ?」
お茶子ちゃんにもバレました。
切島 「そうだな!思いっきり腫れてるぜ?」
いつの間にか切島くんも近くに来ていて、私の顔をじっと見てる。
あなた 「ちょっと寝不足……!」
麗日 「ほんと?無理しないでね!」
あなた 「ありがとう…!ちょっと部屋行ってくるね!」
私は、ニコニコ笑いながら間をすり抜けて渚のもとに向かう。
渚 「お姉ちゃん大丈夫…?心配した……。」
渚は、私を見て安堵の表情を見せる。
でも私はその表情には一切触れない。
触れられない。
私は息を整えると、真っ直ぐ渚を見る。
あなた 「渚、ちょっと来て。」
渚 「え?分かった…。」
私は、そのままエレベーターに乗る。
続いて渚も乗る。
あなた 「皆、おやすみなさい……!」
切島 「お、おやすみ!」
麗日 「良い夢見てね〜!」
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渚 「お姉ちゃん、どうしたの…?」
私と渚は、自分達の部屋で向かい合って座ってる。
あなた 「ちゃんと聞いてね?真面目な話だから。」
渚は、コクっと頷いた。
「私達、もう家族がいなくなっちゃったの。」
爆豪side
麗日 「ねぇ、あなたちゃん何かあったっぽいよね?」
切島 「麗日もそう思うよな?俺も。」
あなた兄弟が自分の部屋に行った後、丸顔とクソ髪はそんな話をしていた。
明らかにおかしいだろ。
こんな朝早くに外に行ってて、
目腫れてるし、作り笑いだし。
俺は何となく察した。
多分、おじさんだろう。
でもこいつらはあなたのおじさんの事を知らない。
だから、俺は言わねぇ。
切島 「爆豪もそう思うか?」
爆豪 「知らねぇわそんなん。」
麗日 「爆豪くんも分からんのかぁ……。」
おじさんは、あいつに言ったんだろうか。
あなたのおばさんのこと。
また聞いてみるか…………。
早く仲直りしてぇな………。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!