とても心配になった。
私のクラスメイトが鬼に殺されるかも
しれない。
そう言いかけた時、麻美が私の制服の
袖をつかんだ。
そうだった。今、教室に戻れば鬼に見つかって
殺されるかもしれない。
とりあえず、鬼に見つからない事を
考えないと…
まるで私の考えを読んでいるかのように、東條かや
が話しかけてきた。
東條あや。
いつも1人でいる一匹狼のような人物で、
同じクラスだがあまり話した事はない。
翔吾の言うとおりだ。鬼から逃げないと、殺される
のは確実だ。
すると、あやはカッターを取り出して言った。
あやはカチカチとカッターを鳴らした。
あやは自分の足首を指した。
翔吾がいかにも疑わしいという表情を
している。
あやが涼しげな顔で話している。
私達が向かおうとしていた教室の
事なのかな…?
そう言いかけた時だった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。