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夕飯を食べて、アニメ鑑賞タイム!
今日はアイドルアニメを1話から見直し!
…と、あなたちゃんは、食器の洗い流し中。
佐「あの、俺手伝おうか?」
『あ、だ、大事です。兄とゆっくりしててください』
んー…まだまだ壁は厚そう。
佐「じゃあさ、それ終わったらみんなでシュークリーム食べよ?」
『はい、あの、あとで持っていきますね』
シュークリームに微笑まれても…!
佐久間さんシュークリームに負けてる( ´ ᐞ ` )
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ソファで祐太くんとアニメに見入る。
このシーンが!とか、この時の☆☆ちゃんが!とかそんな話をしながら。
コトンッ
お皿に置かれたシュークリームが、
テーブルに置かれた。
『あの…さっくん、飲みもの、コーヒーか紅茶かココア、何がいいですか』
え、今《さっくん》て!呼んでくれた!
名前呼ばれるだけでニヤけそうになっちゃうよ!
佐「あ、えっと、ココアで!」
佐久間さん、お茶もコーヒーも苦手なんだぞ☆
…って子どもっぽいかな。
しばらくすると、祐太くんの所にはブラックコーヒー、俺のところにはココアが置かれた。
マシュマロ乗ってる!めっちゃ可愛い!
あなたちゃんは祐太くんの隣に座って、マグカップを手にする。
一つ一つが本当に可愛い。
やっぱり好き。
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シュークリームを食べながら、三人並んでアニメを見続けていると、
スゥ…スゥ…
小さな寝息が聞こえてきた。
祐太「あなた…?寝てるわ。佐久間先に風呂行ってきていいよ」
祐太くんにもたれて眠るあなたちゃん。
あー場所変わりたい!と思いつつ、先にお風呂に入らせてもらうことに。
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俺と入れ替わりに祐太くんがお風呂へ。
ソファに寝かされたあなたちゃんは、まるで眠り姫のよう。
起こさないように近くに座り、そっと髪を撫でた。
俺の事、好きになってくれないかな。
指で白くて綺麗な頬をなぞり、ピンク色の可愛い唇にそっと触れた。
女の子にこんなにドキドキするなんて、
初めてかもしれない。
『ん…』
やばい、起こした?!
え、触っちゃったよ、やばいやばい。
『スゥ…スゥ…』
あ、また寝ちゃった。よかったよかった。
チラチラと横目であなたちゃんを見ながら、
俺はまたアニメに視線を戻した。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!