賑やかなリビングからの声。
今がチャンスだと、お風呂に入り、濡れた髪をタオルで拭きながら脱衣場を出る。
カチャ
?「おわっ、」
丁度リビングから出てきた人と鉢合ってしまった。
『あ…すいません』
?「い、いえ!こちらこそすいません!」
さっきの目立つ金髪の人だった。
?「あの…トイレって、」
『あ。そこです』
?「お借りします!」
見た目、そんなにオタクっぽくない。
けど兄と同類なんだろうなーなんて思いつつ、またのんびりと部屋に戻った。
しかし、あの金髪…美容師か何かかな?
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賑やかな声は、0時の針に近付いても続いた。
明日土曜日だけど出勤なんだよなぁ…と思いつつ、布団に潜って眠りについた。
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朝5時。少し冷たくて静かな朝。
朝食の準備のために、静かにリビングを開けると、そのまま雑魚寝している人達。
風邪ひくよーと思いつつ、兄のオタクグッズ?のブランケットを一人一人に掛けた。
金髪の人にも。
髪の毛がサラサラで、寝顔が綺麗だった。
何…、見とれてるんだろう。
フルフルフルッと頭を振って、何も考えないように、朝の食事の支度に向かった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。