第9話

8
785
2020/05/28 12:00



今日はお休みなので、帝国劇場へ。



《エリザベート》を鑑賞に。
名作なんだけど、実は初めて観るんです。



いつも決まった演目ばかりだけど、
たまには新しいものも…と思ってチケットを取った。



新しい世界にドキドキ。



今日の役者さんの中にはどうやら京本政樹さんの息子さんがいるようで、少しだけ、客層が若いのかな?なんて感じた。



_



?「あれ、あなたさん?」



え、誰かに声かけられた。

振り向くと、帽子に、サングラス…
そんな知り合い居ないし、え、誰?



?「あれ?…あ!」



と、その人はサングラスを外した。



『えっと…、佐久間さん…?』

佐「良かったー!忘れられたかと思った!」



なんて言いながら、またニコニコ笑う。



佐「エリザベート?」

『あ、はい』

佐「おれっちも!」

『そうなんですか、』

佐「友だちーというか、幼なじみ?が今日出るんだよねー」



さすが芸能人。お友達の幅が広いんだろうなぁ。



佐「席どの辺?」

『1階の、中央あたり…』

佐「そうなんだ!見つけたら手を振るねー!」



そう言うと、佐久間さんはまたサングラスを掛けて、劇場へと入っていった。



_



パンフレットを買って、自分の席に着く。



ファン「きょも、楽しみー!」

ファン「今日誰か見学来てないかな?」



周りの女の子たちのざわめきから、京本家って凄いんだなーなんて思いつつ、ふと前方に目をやる。



…明らかにキョロキョロしてる人がいる。



パッと私と目が合うと、その人は大きく手を挙げた。



ファン「あれ、さっくんじゃない?」

ファン「ホントだ!知り合いでもいるのかな?」



佐久間さんってやっぱり、有名なんだ。と思いつつ、その笑顔に、小さく手を振り返した。



プリ小説オーディオドラマ