うらたside
朝起きてすぐに、学校から連絡があった。
俺と仲の良かった『月崎志麻』が自殺した─と。
月崎志麻…志麻は、頭が良くて運動ができて、オマケにすごくかっこいい。完璧という言葉は、彼のためにあるようだった。
どんな些細なことでも、彼は笑顔だった。
そんな彼を、みんな慕っていた。いじめなんて考えられない。どうして…自殺なんか…
〜〜〜〜♪
スマホから着信音がなる。
彼も志麻と仲がいい、俺の友達だ。
俺は制服に着替え、朝ごはんはたべずに家を飛び出した。
早く、彼の死の真相を知りたかったから。
〜学校〜
体育館につき整列すると、すぐに校長が登壇した。
体育館がシン…として、思い空気が漂う。
体育館の沈黙を切り裂くように俺は声を出した。
分からない?そんなことあるのか?仮にわからなかっとしても、志麻の身の回りを調査して、なんとしてでも原因を突き止めるべきじゃないのか?
集会が終わったあと、俺と坂田は志麻のことをできるだけ詳しく伝えた。
普段の生活態度、性格、知っていることは全て…
教室に戻りながら、俺らは何も語らなかった。
ただただ、志麻のことを考えていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!