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2021/08/13

第9話

回想
センラside
美術室の窓の前に座り、青空を見つめる。
黄百合 センラ
黄百合 センラ
…志麻。
この窓の前で、志麻は座っていた。
綺麗な笑顔で、俺に描かれてた。
月崎 志麻
月崎 志麻
『先生描けた?』
黄百合 センラ
黄百合 センラ
『まだや。あんま動かんといてな。』
月崎 志麻
月崎 志麻
『ねぇ先生。』
黄百合 センラ
黄百合 センラ
『ん?』
月崎 志麻
月崎 志麻
『俺の絵の背景に、描いて欲しいものがあるの。』
黄百合 センラ
黄百合 センラ
『何?』
月崎 志麻
月崎 志麻
『桜の花が咲いたら…俺の背景に描いて?』
黄百合 センラ
黄百合 センラ
『桜の花…?しばらくかかるで?そんなん。』
月崎 志麻
月崎 志麻
『ええの。俺、桜の花描いて欲しいの。』
黄百合 センラ
黄百合 センラ
『そうか。なら、春になったら描いたるから、また来てな。』
月崎 志麻
月崎 志麻
『うん。』
あの時は意味がわからなかった。
何故桜なのか。別に何もなくても良いだろうに。
だが、すぐあとに意味を知ることになった。
月崎 志麻
月崎 志麻
『グスッ…ヒグッ…』
黄百合 センラ
黄百合 センラ
『志麻…?』
月崎 志麻
月崎 志麻
『あ…先生…』
黄百合 センラ
黄百合 センラ
『どした?なんで…泣いてる?』
月崎 志麻
月崎 志麻
『俺…俺…ッ』
頭を掻きむしって床に突っ伏す志麻に駆け寄った。
黄百合 センラ
黄百合 センラ
『どしたん!?志麻!』
月崎 志麻
月崎 志麻
『助けてッ…先生ッ…俺なんもしてへんよォ!!!!なんで俺ッ…こんな責められなあかんの?俺なんもしてへん!!!!ほんとやぁ…』
黄百合 センラ
黄百合 センラ
『ちょ、ちょっと待って。わかんないんやけど。』
月崎 志麻
月崎 志麻
『俺…俺…ッ』
志麻から裏サイトのことを聞いたのは、それがはじめてだった。
黄百合 センラ
黄百合 センラ
『…』
月崎 志麻
月崎 志麻
『俺ッ…そんなことしてへんよな?先生と…なんもないもんな?』
黄百合 センラ
黄百合 センラ
『あたり…まえやん。こいつら…馬鹿なん?』
月崎 志麻
月崎 志麻
『俺もう…無理やッ…こいつらのこと許せへんくなりそうッ…先生…助けて?』
黄百合 センラ
黄百合 センラ
『〜ッ』
咄嗟に志麻を抱きしめた。
黄百合 センラ
黄百合 センラ
『助けたる!待ってろや!』
月崎 志麻
月崎 志麻
『うんッ…うん…』
この場面が、彼を更に追い込むと、思いもしなかった。
黄百合 センラ
黄百合 センラ
『え?志麻が…自殺…ですか?』
『はい…これ、黄百合先生に…』
センラ先生へと書かれた封筒。   
いえに帰り封を切る。
先生へ。

ごめんなさい。俺はやっぱり我慢できません。
先生に抱きしめられたあの日、裏サイトに動画が投稿されてて、俺は前よりも酷い叩かれ方をしました。

これ以上は、俺が俺じゃなくなってしまいます。
人を憎んで、心が汚れてしまう前に、自らの手でこの人生を終わらせようと思います。

少しでも、天国に近いところに行けるといいな。
先生には、沢山の迷惑をかけました。ごめんなさい。

先生も、誰のことも恨まないでください。先生と同じとこに行けなくなっちゃう。

俺の復讐なんかもしなくていいです。優しい先生ならいらない心配かな?

次、俺が産まれてくる時は、先生と普通に話せる人になりたいな。
黄百合 センラ
黄百合 センラ
『…』
だから、か。桜の花を描いてくれと言ったのは。
桜の花の花言葉…精神美。汚れのない心。




『心が汚れてしまう前に、自らの手でこの人生を終わらせようと思います。』
黄百合 センラ
黄百合 センラ
『志麻ッ…志麻ぁ…!』
守れなかった。大事な生徒。綺麗な笑顔の紫の華。
儚く、自らその命を散らせた。
最後の最後まで、誰も恨むことなく、美しい心で死んでった。
『先生も、誰のことも恨まないでください。』
黄百合 センラ
黄百合 センラ
『…ッわかったよ。誰のこともッ…恨まない。でもッ…これだけはやらせてくれ…』
二度と、同じ過ちが起らないように…