うらたside
バタバタバタバタ
バンッ!!!!
黄百合先生が美術室から出ていく。
踵を返した時、扉が勢いよくあいて、6時限目の社会の先生が入ってきた。
扉を出ると、廊下のすみにいる黄百合先生を見つけた。
光り輝く黄色の瞳と目が合う。
笑った。
ただそれだけなのに、何故か体が火照った。
そのあと社会の先生と担任にこってりしぼられ、やっとこさっとこ俺らは帰路についた。
あなたの知ってること…教えてくれれば、志麻は報われるかもしれないのに…
???side
誰もいない美術室で、1人スマホを開き、学校の裏サイトに飛ぶ。
『え?あんなキレイな清純そうな顔しといてこんなことするんだ。』
『相手男?キモイんですけど。』
『見た目によらないってこのことだねぇ。』
『抱きつかれた人可哀想!バレたら捕まんじゃん!』
『こんなやつと同じ学校とか最悪。死ねばいいのに。』
彼のことを知りもしないのに、どうしてこうも叩けるのか。
怒りでスマホを握る手に力がこもる。
こんなヤツらがいるから、彼は…志麻は死んだんだ。
大切な生徒を救えなかった。その後悔が、今も心を締付ける。
二度とこんなことを起こしては行けない。この学校だけでもいい。なにかアクションを起こさなければ。
2週間後の学園祭…あそこがいいな。
見ててな志麻。俺、必ずやり遂げるから。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。