第4話

何か知ってる…?
145
2021/07/23 06:52
うらたside
バタバタバタバタ



バンッ!!!!
浦田 渉
浦田 渉
黄百合先生!
黄百合 センラ
黄百合 センラ
あれ、どした?もう6時限目始まっとるやろ?何しとん。
浦田 渉
浦田 渉
先生に…お聞きしたいことがあります!
黄百合 センラ
黄百合 センラ
何?
坂田 優
坂田 優
月崎志麻のことで…知ってることを教えてください。
黄百合 センラ
黄百合 センラ
…月崎、ねぇ。
浦田 渉
浦田 渉
志麻は生前、先生ととても中が良かったじゃないですか。なにか知ってるのではないですか?
黄百合 センラ
黄百合 センラ
別に何も知らないよ。
何か悩んでたとかも知らない。さ、早く授業にもどんな。
坂田 優
坂田 優
ちょっ、先生!
黄百合先生が美術室から出ていく。
坂田 優
坂田 優
んぁ〜もう!なんやねんあの先生! 
なんも知らんのかァ?役立たんなぁ!
浦田 渉
浦田 渉
…違う
坂田 優
坂田 優
え?
浦田 渉
浦田 渉
あの先生、絶対何か知ってる。
坂田 優
坂田 優
…なんでそんなことわかるん?
浦田 渉
浦田 渉
俺らなんも言ってないのに、『何か悩んでたとかも知らない。』って…
どうして志麻が悩んでたこと知ってんだ?
坂田 優
坂田 優
確かに…やっぱり…先生は志麻くんとなにか関係があるんやよ!
浦田 渉
浦田 渉
あぁ。とりあえずもう1回聞きに…
踵を返した時、扉が勢いよくあいて、6時限目の社会の先生が入ってきた。
社会の先生
コラァ!!!!何してんだぁ!!!!
坂田 優
坂田 優
ひゃぁ!見つかったァ!
浦田 渉
浦田 渉
すんません。すぐ戻ります。
扉を出ると、廊下のすみにいる黄百合先生を見つけた。


光り輝く黄色の瞳と目が合う。
黄百合 センラ
黄百合 センラ
ニコッ
笑った。
ただそれだけなのに、何故か体が火照った。
そのあと社会の先生と担任にこってりしぼられ、やっとこさっとこ俺らは帰路についた。
浦田 渉
浦田 渉
(黄百合先生…)
あなたの知ってること…教えてくれれば、志麻は報われるかもしれないのに…
???side
誰もいない美術室で、1人スマホを開き、学校の裏サイトに飛ぶ。
『え?あんなキレイな清純そうな顔しといてこんなことするんだ。』

『相手男?キモイんですけど。』

『見た目によらないってこのことだねぇ。』

『抱きつかれた人可哀想!バレたら捕まんじゃん!』

『こんなやつと同じ学校とか最悪。死ねばいいのに。』
彼のことを知りもしないのに、どうしてこうも叩けるのか。

怒りでスマホを握る手に力がこもる。
こんなヤツらがいるから、彼は…志麻は死んだんだ。



大切な生徒・・を救えなかった。その後悔が、今も心を締付ける。

二度とこんなことを起こしては行けない。この学校だけでもいい。なにかアクションを起こさなければ。


2週間後の学園祭…あそこがいいな。
見ててな志麻。俺、必ずやり遂げるから。

プリ小説オーディオドラマ