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第3話

・ な ・
25
2021/02/06 12:33
"あの声"を最後にして閉じた瞳を再び開く頃には

辺りはすっかり暗くなっていた.

周りを見回すと ぐちゃぐちゃで

お見舞いに持ってきてくれた

お花の入った花瓶があったはずの棚は倒れ,

水も零れて床が歪んで見えるほど.

あれ、なんでこんなことになってんの、?

そう思ったと同時に個室の部屋が開いた.


「来たよー!」


なんて明るい声で中に入ってきた彼は私と目が合うと,


「あ、え??起きたの!?」


と驚くや否や 私の方まで早歩きで近づいてきて

慌てて何度も掴み損ねながらもナースコールを押した.

              ( ぐ ち ゃ ぐ ち ゃ な 部 屋 と 頭 .)

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