"あの声"を最後にして閉じた瞳を再び開く頃には
辺りはすっかり暗くなっていた.
周りを見回すと ぐちゃぐちゃで
お見舞いに持ってきてくれた
お花の入った花瓶があったはずの棚は倒れ,
水も零れて床が歪んで見えるほど.
あれ、なんでこんなことになってんの、?
そう思ったと同時に個室の部屋が開いた.
「来たよー!」
なんて明るい声で中に入ってきた彼は私と目が合うと,
「あ、え??起きたの!?」
と驚くや否や 私の方まで早歩きで近づいてきて
慌てて何度も掴み損ねながらもナースコールを押した.
( ぐ ち ゃ ぐ ち ゃ な 部 屋 と 頭 .)
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。