🐭「はぁ………」
俺はため息をつくと、ポケットから普段はあまり吸わない たばこ を取り出した。
カチッとライターをつけた時
🐻「うわッ………」
🐭「…………びっくりした」
🐻「たばこ臭ッ!!」
🐭「………」
🐻「たばこ臭い男は嫌われますよ」
そう言うと、女は小さい鞄から 電子タバコ を取り出した。
🐭「お前も吸ってんじゃねぇか」
🐻「これは無臭なんでカウントしません」
🐭「なんだそれ」
そういえば、この女は かん するぎ と言ったか
🐻「あの、ひとつお聞きしてもよろしいでしょうか?」
🐭「んだよ」
🐻「私、偶然聞いちゃったんです」
🐻「あの話、本当ですか?」
🐻「あなた………」
懐かしそうな声調で名前を口にした
🐻「あなたを、AWAKEの方に雇わせるって……」
🐭「!!」
どうやら、1番聞かれたくなかったことを聞かれていたみたいだ。
🐻「もしそうなら……」
🐻「それだけはやめてください。」
🐻「………」
🐻「やっと……」
🐻「やっと会えたのに……」
こいつ……
この女はなんでそんなに
悲しそうな顔をする。
🐭「とにかく、決まったわけじゃない……としか言えない」
🐻「……そうですか」
🐭「それにしても……」
🐭「お前はなぜそんなに あなた に執着する?」
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。