社員旅行最終日。
あっという間だった
初めて話した子だっていたし、いいものもたくさん見ることが出来た
ただ、惜しかった点で言えば
てひょんとの溝が深まったこと
ゆんぎさんをあれから見ていない
どこにいるんだろうって思うけれど、あの日の件だってあるし中々探そうと思う足が動かなかった
最終日の夜は静かにやって来た
みんな荷物を詰める作業をしているせいか、前のように廊下が騒がしいことなんてなくて
言ってしまえば誰も廊下なんていなかった
早く荷造りが終わった私は一日目に来ていた夜景が綺麗に見える場所へといった
やっぱり綺麗な星が私を迎えるように咲いていた
『綺麗………』
この星達を見ていると どうしても涙が出てきてしまいそうだ
これが 無条件の涙 というものだろう
ふと、扉が開いて それを見れば
🐭「!!」
『ゆ、ゆんぎさん?!』
2日ぶりだろうか
ゆんぎさんはいつもと変わらない口調で私に話しかけた
🐭「荷造り、終わったのか?」
『はい、さっき』
🐭「そうか」
そこからはずっと静寂な時間が私たちの間に流れる
先にその空気を割ったのは以外にも彼で
🐭「………なぁ」
『は、はい?』
🐭「…………」
彼が言った言葉には色んな思いが詰まっているのだろう、そんな言葉を聞いて私はまた涙を流すことになる。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!