” 裕太 ”
こいつと仲良くなったのに特に理由はいらないと思ってる
ただ、何となく
その、何となく で友達になった 裕太 はやっぱり俺とぴったりの性格だった
俺は 無口 、あっちは お喋りさん 。
正反対だから合う部分があると思うんだ
とりあえず、今日もこうして 裕太 が部屋に入ってくるなり
今日は○○なことがあった!!や、今日の○○さんは〜〜だった……とか
色々と俺の前でトークショーを繰り広げてくれるみたいだ
俺はそんな 裕太 を微笑みながら見ていると
いきなり俺の目線に気づいた 裕太 は一瞬びっくりした顔をしてこう言った。
〔なんや、じょんぐが、そんなに俺の顔が羨ましいのか?〕
………違う
🐰「笑」
でも、そんな所も 裕太 の良い部分であると俺は思う
〔なぁなぁ、いつもならあと2杯は飲むのに………ほんとにどうした?!〕
🐰「あぁ、それがさっき飲んだばっかで笑」
〔えぇ!!まじでぇ?!てか、じょんぐが が 1人で酒飲んでる所とか笑〕
〔想像しただけで笑える笑〕
🐰「あの、俺一人で飲んだなんて一言も言ってないんだけど」
〔え?誰かと飲んだってわけ?〕
🐰「まぁ…」
〔えぇ!!誰や?!名前教えろや!!女か?!男か?!〕
🐰「笑」
🐰「男だよ笑」
〔へぇ……〕
〔んで、名前は?!〕
🐰「聞きたがり屋かよ笑」
確か名前は……
🐰「じみんさん」
僕がその人の名前を口ずさむと
〔………お前それ、まじで言っとる?〕
🐰「……うん?」
〔じみんって……〕
〔いいや、もしその じみん が〕
〔ぱくじみんなら……〕
〔あの会社の人たちも………〕
そう言って まるで面倒事を見ているような顔をした
🐰「……その人が」
〔え?〕
🐰「その人がもし、その ぱくじみん なら……裕太は何かあるの?」
〔…………〕
〔僕じゃないけれど、とりあえずあるの!!笑〕
こんどは打って変わって笑顔になる 裕太
〔はい!!この話はおわーり!!〕
〔俺、これから じん社長 の所行かなくちゃ!!んじゃな、じょんぐが!!〕
そう言って出ていってしまった 裕太
そういえばこいつ………
1度社内で聞いたことがあった
〘 中本悠太って子……… 〙
中本悠太 __ .
そいつは、もうひとつ別のあだ名があるみたいで
表情の天才
__________
コンコンッ
〔失礼します、社長〕
🐹「ん、入って」
〔はい、あの……〕
〔先程の件ですが……〕
🐹「それについては僕の中ではもう答えは出てるよ」
〔ッ……〕
🐹「裕太、お前がきっと1番僕を分かっている。そうだろ?」
〔………はい〕
〔でも僕……〕
〔 女性にだけは手を染めたくなかった 〕
next
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。