こうして始まった てひょん君の作戦。
うっかり寝過ごした私は辺りを見回す。
🦁「起きた?」
隣で聞こえた声につい
『んぇ?』
なんて情けない声を出してしまう。
🦁「おはよう笑」
そう言って にこっと笑ってくる てひょん君。
『ご、ごご、ごめんなさいぃぃぃぃ』
なんだか申し訳なくてつい焦る。
🦁「笑笑」
🦁「大丈夫だって笑」
🦁「それよりも、それ」
そう言って携帯を私に差し出す てひょん君。
🦁「夜中からずっと着信音鳴り止まないんだけど笑」
🦁「昨日のだけでも結構だめーじになったのかな笑」
なんて言ってる。
『……?』
🦁「あぁ、こっちの話だよ笑」
🦁「それにしても、やっぱりあの人そういうタイプなんだ笑」
『タイプ……?』
🦁「うん、あの手の男が一番嫌がる事僕達今してる笑」
『……?』
🦁「教えてあげるよ。ああいうタイプの男が一番嫌がる事、それは」
🦁「自分のものを人にとられることだよ。」
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!