家の中にいざ入ってみると
🦁「ねぇ あなたちゃん」
『はい……』
🦁「なんかここお酒臭くない?(ボソッ)」
そう、ここはすごくお酒の匂いがした。
案の定、お酒の瓶や缶が床に転がっていたり、立ててあったりした。
思い返してみれば、ぐくはそんなにお酒を頻繁には飲まなかった。
彼に一体何があったのだろうか
引っかかることは私たちの件しかなかった。
でも、それじゃなくほかの理由だとしたら私はとんでもないうぬぼれ女だ。
🐰「はい、ここ。あなたの部屋だから」
私の部屋だったんだから知ってる。
でも、それは私に言ったのではなく、私の横にいたてひょん君宛の声だった。
🦁「はい、ご親切にありがとうございます」
なんて てひょん君が丁寧にあいさつをすると
🐰「なぁ あなた」
『なに』
🐰「あんな気持ち悪い奴のどこが良くて、俺よりあいつを選んだわけ?」
なんてすんごい顔で聞いてくる。
『あんたには分からなくていいから』
そう冷たく突き放すように言うと
🐰「お前……さっきからうぜぇんだよ」
そういうと私の手首を痛いぐらいにぎゅっと掴む。
『い、痛い……ッ……』
私は辞めてもらおうと ぐくの方を見る。
すると、ぐくは気を取り戻したかのように私からすっと手を離した。
🐰「…………」
しばらくの彼はずっと何も言わずに
なにか嫌なものでも見るようにずっと自分の手を見つめていた。
next
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。