第38話

37話
22,735
2019/05/08 11:17




家の中にいざ入ってみると


🦁「ねぇ あなたちゃん」


『はい……』


🦁「なんかここお酒臭くない?(ボソッ)」


そう、ここはすごくお酒の匂いがした。

案の定、お酒の瓶や缶が床に転がっていたり、立ててあったりした。

思い返してみれば、ぐくはそんなにお酒を頻繁には飲まなかった。


彼に一体何があったのだろうか


引っかかることは私たちの件しかなかった。


でも、それじゃなくほかの理由だとしたら私はとんでもないうぬぼれ女だ。


🐰「はい、ここ。あなたの部屋だから」


私の部屋だったんだから知ってる。


でも、それは私に言ったのではなく、私の横にいたてひょん君宛の声だった。


🦁「はい、ご親切にありがとうございます」


なんて てひょん君が丁寧にあいさつをすると


🐰「なぁ あなた」


『なに』


🐰「あんな気持ち悪い奴のどこが良くて、俺よりあいつを選んだわけ?」


なんてすんごい顔で聞いてくる。


『あんたには分からなくていいから』


そう冷たく突き放すように言うと


🐰「お前……さっきからうぜぇんだよ」


そういうと私の手首を痛いぐらいにぎゅっと掴む。


『い、痛い……ッ……』


私は辞めてもらおうと ぐくの方を見る。


すると、ぐくは気を取り戻したかのように私からすっと手を離した。


🐰「…………」


しばらくの彼はずっと何も言わずに


なにか嫌なものでも見るようにずっと自分の手を見つめていた。





next


プリ小説オーディオドラマ