荷物は 化粧品少し と スマホ 、そして 財布 。
それだけだった。
洋服だってなにも詰めてないある意味空っぽな私のバックは
寂しさと、孤独さを持ち合わせているみたいで。
てひょんは何も言わずに涙を流していた。
そんなてひょんを見た私は
静かに てひょんと暮らしている家 を後にした。
しばらく同じ景色が続いた。
夜景が綺麗に見えるけれど、なんだか寂しくて
止まることの知らない足がさらにそれらをいっそう錯覚させる。
『ッ………』
私は知らないうちに泣いていた。
きっと、私が泣きながら歩いているもんだから変人だと思われているのだろう
さっきから ちらほらと そんな声が聞こえる。
ついに私は歩くことをやめ、地面に体育座りをして泣いた。
どれぐらい経ったか知らない。
けれど、そんな時
??「あの、大丈夫ですか〜……?」
『………?』
🐥「あ、あれ?あなたちゃん?」
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。