あーー!!!
寝坊した…………
昨日の夜、デートについて調べてたからだ!!
どうしよう!!
待ち合わせまであと5分。
5分じゃ行けないよ……
とにかく急いで準備しよう!!
~15分後~
はぁ、はぁ、はぁ………ゲホッ
一応、悠真さんに連絡したけど、10分も遅れちゃう。
待ち合わせ場所まではあともう少し。
走っていかないと………
え………?
私の目の前には………
路上に倒れた美優がいた。
さすがに、血も出てるし、見て見ぬふりはできない。
でも………
"プルルル………"
私は、今のこの状況を悠真さんに伝えた。
えっ!?
…………申し訳ない。
今日は悠真さんとのデートだったのに。
嫌だよ………
私と美優の間に沈黙が続いた。
この沈黙を破ったのは、悠真さんだった。
私は美優に悠真さんのことを話したりしたことなんてない。
そもそも、恋バナなんてものをしたことがない。
悠真さんは少し困っていた。
私が関係を言っていないってことは、言わない方がいいんじゃないかって思ってくれてるんだよね。
だって、血が出てるのに?
救急車呼ばないの?
それから、少しして救急車は来た。
"ピーポーピーポー"
そして、救急車のサイレンがどんどん遠くなっていった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!