私は重い足取りで学校に来た。
瑠菜もやっぱり暗い表情だった。
そんな私たちを励ますように山崎くんは声をかけてくれる。
だよね
…………えっ!?
み、美優!?
が謝った………?
でも…………
美優が謝るなんて─────
夢?
私はほっぺたを引っ張った。
痛い…………
夢……じゃない。
美優が私たちにお願いすることなんてある?
そういって、美優は席へ戻って行った。
その背中は何だか………寂しそうな背中だった。
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昼休み
私たちは美優のお願いを聞きに屋上に来た。
助けるって……何から?
へぇ…………
本気で言い過ぎたって思ってたの?
……よく、そんなことが言えるよね…………
瑠菜は何度も私のことをかばってくれた。
もういいよ。
瑠菜にこれ以上、迷惑かけたくない。
”一度失った信頼は何倍も努力しないと取り返せない”
よく先生が言う言葉。
美優が私を裏切ったとき、信頼は消えた。
それを取り返すには相当な努力が必要。
私は…………まだ、美優のことが許せないよ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!