まず、瑠菜には話しておかないとと思って、昨日のことを話した。
そういえば………
瑠菜の好きな人って誰だろう?
誰!?
え………
山崎?
こういう時………
私は何と言えばいいのだろうか。
私はこの短い間で何度も瑠菜に支えられた。
救われた。
でも………
その瑠菜の好きな人は……
山崎くん。
確かに山崎くんは優しい人だし、人気もある。
けど………
何故か、私に告白してきた。
こんな私に。
私はどう声をかけるべきなのか、分からなかった。
当然かもしれない。
今まで人と関わることを好まなかったから。
必要以上に人の気持ちなど、考えたことがなかった。
恋愛なんて………
こんなに大切にしたい友情なんてなかったの。
全てが私にとって初めてのこと。
勉強で言えば、さっき基礎問題をしただけなのに、いきなり応用問題を解けと言われている感じだ。
勉強より人間関係とは複雑で難しい。
明確な答えがない。
私にとって、1番不得意な分野だ。
どうすれば………
そうして、私たちはお互いを抱きしめながら泣いた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。