今日も嫌な学校。
担任のももっちこと、百田先生がそう告げると、教室の中が急に騒がしくなった。
”えー”とか
”男子?女子?”とか
”イケメンがいいー”とか
”可愛い子かな”とか
騒ぎまくってる。
そして、入ってきた子は……
あー、元気そうな子。
しかも可愛い。
私とは正反対なんだろうな。
え?私の隣?
可哀想……私も森宮さんも。
はぁ。
やっぱり人気者の転校生の周りには、人がたくさん集まってくるもの。
ということは、私にも影響が……
まあ、そりゃそうだよね。
急に近づかないほうがいいですよ、なんて言われたんだから。
はぁ。もういいや。
そして、ついに来た、休み時間。
といって、みんなが押し寄せてくる。
もちろん、私ではなく、転校生に。
全く落ち着かない。
あと20分ほど時間がある。
図書室にでも行こう。
”ドンッ”
あぁ、そうですか。
私はすたすたと教室を出て、図書室へ向かった。
図書室は落ち着く。
私が唯一、学校の中で落ち着ける場所。
”キーンコーンカーンコーン”
チャイムが静かな図書室に響き渡る。
もう20分も経ってる。
私は本を借りて、教室に入った。
は?
別にあなたに可愛いなんて思ってほしくもないですけど?
はぁ……
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!