第26話

最終話
2,238
2018/09/10 03:05
……………憂鬱…


毎年、体育大会は憂鬱だけど

今年は特に……
あら、今年は風邪引かなかった?!
貴方
貴方
うん、笑

今まで
体育大会当日に仮病して休む
っていうのが恒例だった



仮病。って知ってたんだろうけど
何も言ってこなかったお母さんにすごい感謝してる
貴方
貴方
いってきまーす
いってらっしゃーい

気のせいか、
いつもより倍元気な声のお母さんに見送られて

少し笑いながら家を出る

向かっていると
クラスメイト 女
おはよ!!
貴方
貴方
うわっ!
おはよ笑
クラスメイト 女
体育大会だね~
貴方
貴方
そうだね~笑
クラスメイト 女
あなたは何の競技??
貴方
貴方
私、何も出ないよ
クラスメイト 女
えー!!!
ずっるーーい!!笑
貴方
貴方
あはは笑
先生気使ってくれたみたい笑
クラスメイト 女
もー、普段こんなにうるさいのに
貴方
貴方
そんな堂々と本人の前で言う?笑
クラスメイト 女
本人の前だから言うの

ひどーい
なんて笑いながら


少し涼しい通学路を歩く


喋ってたらすぐ学校に着いて
クラスメイト 女
おはよー
隼
あ、おはよー!!
貴方
貴方
おはよ
隼
おはよー!
涼太
涼太
おはよう、あなたちゃん

…………憂鬱の原因はあんたなのに
って言葉は飲み込んで
隼
今日走りたくねぇ~よ~
クラスメイト 女
なんでよー
足早いくせに
隼
学年1早い奴に言われたくないんですけど、笑
クラスメイト 女
嫌味でーーす
隼
うぜぇーー笑

また始まった、笑



今まではこの時涼太くんと笑い合うけど
今はそんなこと軽くしたらだめだ。
って分かってる



……ていうか…
いつ気持ち伝えよう…

私が困ってるのに気付いたのか
クラスメイト 女
あっ、あなた
トイレ行こ!
隼
なんでそう女子は
人とトイレに行きたがるのかね~
クラスメイト 女
うるさいよ
貴方
貴方
よ、よし、行こっか笑

トイレに行って
手洗う所の鏡の前に立つ
貴方
貴方
………いつ言おう……
クラスメイト 女
…今日だね
貴方
貴方
はっ?!
クラスメイト 女
いやいや、
今日しかないでしょ。

そんで、悪かった時はスパッと諦めて
また新しい恋を始める!!
貴方
貴方
まぁ、結果はそれだろうね~
クラスメイト 女
でもすごいじゃん!
伝えよう。って思ったんだから
貴方
貴方
やっぱ怖くなってきた
クラスメイト 女
バカ。
好きな人に好きって言わないで
これからどうすんのよ
貴方
貴方
……だって
クラスメイト 女
じゃあ、もし…よ。もしも
涼太くんが実は付き合ってなくて、
今日伝えずにズルズル引っ張って本当にあの子と付き合っちゃったらどうすんの?!

それ以上に後悔することはないだろうね
貴方
貴方
まぁ………それは嫌だね
クラスメイト 女
でしょ。
ほら決まり!
特にうちの高校は借り物競争がメインみたいなもんだからさ
貴方
貴方
え、そうなの?笑
クラスメイト 女
そ。大体は
借り物競争でカップル誕生!
からのクラスリレーで、
彼女が彼氏を応援して
俺、彼女の為に頑張る!!
ってなるのを狙ってるんだと思う笑
貴方
貴方
なるほど…笑
クラスメイト 女
てかやばっ。
もう時間ないわ、教室行こ!笑

急ぎながら
教室に向かって


先生に注意されながら席に座って

今日の流れを聞いてるふりして

頭の中では告白のことでいっぱいで


ほんとうに、

気づけばテントの中に居た。
貴方
貴方
うわ、もうテントの中?
クラスメイト 女
そうだよ!
あなた、ずーーっとボーッてしてて
話しかけていいのか分かんなかった笑
貴方
貴方
ごめんごめん笑
貴方
貴方
次何の競技?
クラスメイト 女
次は~
3年生の綱引き
そんで、その後借り物競争ー!!!
きたーーー!!
貴方
貴方
しーーーっ!声でかい!笑

クラスの皆に笑われながら

グラウンド見たら

3年生以外の男子が全員入場門の奥の方に集まってて

隼くんも……涼太くんもいる



あ、、亜嵐先輩もだ
クラスメイト 女
うわー、
男子集まってるねーー笑
 私の視線に気付いたのか
そんなことを言ってくる
クラスメイト 女
3年生の綱引き、
ほんとあっという間だから
貴方
貴方
……う、うん

そう言われた通り、

…というか
この学校が緩すぎるのか


本当にすぐ終わって


もう借り物競争
貴方
貴方
え、え、まって、
早くない??
クラスメイト 女
うんうん。早い早い
貴方
貴方
軽いなー笑

男子が全員入場してきて


……まさかの

涼太くんと亜嵐先輩が同じ2組目で
亜嵐先輩が3レーンで
涼太くんが2レーン…
クラスメイト 女
うわー!!
面白くなってきたぁぁあぁ!!
貴方
貴方
静かに!笑

1組目がスタートして、


男子が、色々な女子を連れて行く


そんな光景が新鮮で。



すごいな、って思って
皆が並んでる方見たら亜嵐先輩と目が合って
ニコッってしてくれた

次はもう
亜嵐先輩達のレースで

涼太くんと亜嵐先輩が位置につく



パーンってピストルの音がグラウンドに鳴り響いたら

皆一斉に走り出して


涼太くんと亜嵐先輩が並行で1位になってる



机の上に置いてある紙を二人が取って
開けて確認した瞬間



こっちに向かって走ってきて
貴方
貴方
あれって、こっちに走ってきてる?

それとも、、自意識過剰?
クラスメイト 女
こっちにだよ。

ニヤニヤしながら言うから


心臓バクバクで見てたら
亜嵐
亜嵐
あなたちゃん、迎えに来たよ笑
涼太
涼太
亜嵐先輩、ずるいです。
あなたちゃん行こっか


え、、え、、え、、、、?


焦ってる暇もなく

二人から手を引かれて
テントから出る
貴方
貴方
え、え、あの、

二人とも、、!
涼太
涼太
まって、ゴールしたら聞くから

手を見たら確かに涼太くんの手が繋がれてて

やばい……絶対顔赤い…
亜嵐
亜嵐
あなたちゃん。
頑張れ、走るよ!!笑

亜嵐先輩がそう言って

今まで早かったのがもっと早くなって
貴方
貴方
えっ、ちょ、

足をなんとか動かして


ゴールした結果1位
亜嵐
亜嵐
っしゃー1位ー!
涼太
涼太
まぁこれは団の点数には入りませんからね
亜嵐
亜嵐
そんなこと言うなよ~笑

二人がそんな会話してる中


私は息が上がって肩で息をする
亜嵐
亜嵐
あ、あなたちゃん
ごめんね?笑
涼太
涼太
びびった顔してた笑
ごめん笑
貴方
貴方
いやもう…………全然………

二人とも早すぎ…………
亜嵐
亜嵐
ふはっ笑
疲れすぎ、笑
涼太
涼太
あ、、それより、、
貴方
貴方
ん?
涼太
涼太
この後、時間ある?
貴方
貴方
え、、あ、、あるよ

よし、頑張れ私。

亜嵐
亜嵐
俺も、話したいことあるから。
涼太の後俺と話ししよ
貴方
貴方
あ、、分かりました、!
涼太
涼太
よし、じゃあ行こっか


そのままの流れで

亜嵐先輩の手が離れて
涼太くんに手を引かれながら

裏庭に来た


涼太くんが向こう向いたまま止まって
涼太
涼太
………あなたちゃん

なんて言うから。


今伝えなきゃ!!
って心の中の自分が叫んで
貴方
貴方
…涼太くんっ!
涼太
涼太
え、、あ、うん?
貴方
貴方
あの、、ね
涼太
涼太
うん

いつもとは違う私に驚いたのか

こっちに体を向ける涼太くん
貴方
貴方
………驚くと思うけど…
聞いてほしい
涼太
涼太
…うん
貴方
貴方
えっと………

…結論から言うと、、

”好き”
ってその二文字を言う時が来た
貴方
貴方
私、、

…………涼太くんのことが好き
涼太
涼太
………………え…???

涼太くんを見ると
頭の上にはたくさんハテナが付いてて
貴方
貴方
あ、いや、えっと、
急にごめんね。
貴方
貴方
涼太くんに彼女さんが居ることも分かってるから、
本当はこんなこと言っちゃいけない。
って分かってるけど
貴方
貴方
でも……伝えなきゃ後悔する。
って思って…

私がそう言っても涼太くんは静かで。




そりゃそうだよね…
よし、潔く振られよう
貴方
貴方
よし、涼太くん。

振るなら振って!
そしたら、諦め付く、、、、、、かも
涼太
涼太
…………あなたちゃん

それ、まじで言ってる?
貴方
貴方
まじだよ??
こんな時嘘つかないでしょ笑
貴方
貴方
ていうか、
私達二人で居たら駄目だね。

勘違いされちゃうな
貴方
貴方
大丈夫、結果は分かってたから!

涼太くん。お幸せにね


少し泣きそうになって

その場から立ち去ろうとしたら
涼太
涼太
いやいや、ちょっと待って

そう言われて
左手が掴まれる
貴方
貴方
、、ん?
涼太
涼太
……………俺も
貴方
貴方
え、?

”俺も”って、なに?
涼太
涼太
……俺も好き
貴方
貴方
え?
涼太
涼太
あなたちゃん。

あなたちゃんはとてつもない勘違いしてるし
俺、あなたちゃんのこと前から好きだよ

……どういうこと…?
貴方
貴方
え、え、状況が掴めない
涼太
涼太
まず俺、
あの子と付き合ってない。
貴方
貴方
…………はい??

いやいや、だってこの前………キス……
涼太
涼太
あれは、あの子に強制的にされたの。

俺だってびっくりしたよ
貴方
貴方
………そう…なの?
涼太
涼太
それで、俺が好きなのは…………

……あなたちゃんだから

少し言葉が詰まりながら言う涼太くん
貴方
貴方
そこが一番分かんない
涼太
涼太
え、、笑

俺、結構前からあなたちゃんのこと好きで
でもあなたちゃんはそんなことあり得ないから。
この前屋上であなたちゃんと亜嵐先輩が笑い合ってた時、
諦めようかな。って思った
まぁ、それ以外にも何回かあった…
涼太
涼太
でも、やっぱり諦めきれなくて。

この前の花火大会で久しぶりにあなたちゃん見たら、
やっぱり俺の好きな子はあなたちゃんだ。って
涼太
涼太
だからあなたちゃん


もし、、俺で良ければ
涼太
涼太
…付き合って下さい

私の目をしっかり見て言う涼太くんが
すごくかっこよくて
貴方
貴方
…………はい

涙で涼太くんの顔が滲んで


そう返事したらすぐ目の前が暗くなる
涼太
涼太
え、これ、、、夢、?
貴方
貴方
違うよ、笑
涼太
涼太
ほんっっっとに嬉しい。

あなたちゃん大好き
貴方
貴方
んなっ…………
涼太
涼太
ふはっ笑

照れてる所も好き。
泣いてる所も好き。
毒舌な所も好き。

あーもう、全部好き!!
貴方
貴方
うるさいな笑
涼太
涼太
だって、
今までこの気持ち
ずっっと言いたかったのに言えなくて
今やっとこうして堂々と言えるんだもん。

言うしかないし…
貴方
貴方
あはは笑

ありがとう。
私も大好きだよ
涼太
涼太
でもほんと、実感無いけど、、、
どうしよう。俺死んじゃうかも
貴方
貴方
んなわけないでしょ
やめてよ、笑

ほんとにカップルか
って会話して


二人で笑って


涼太くんが私から離れる
涼太
涼太
こんなこと言うの、くさいかもしんないけど

俺、、あなたちゃんのことずっと大事にするから!
涼太
涼太
だからあなたちゃん
素直に、俺に守られてください。笑
貴方
貴方
涼太くんほんとずるいよ、、笑
涼太
涼太
……好きだよ。あなた


急な呼び捨てにびっくりして
顔が真っ赤になっちゃって


ほんとすぐ照れるー
って横で言ってる涼太くんを見て


第一印象はほんっとに最悪で、
強引でうるさくて嫌いだったけど

いつの間にかこんな関係になって
私、この人に出会えてよかったな。
って思えた



〈涼太side〉


手を繋いでグラウンドに戻る道を歩く
隣を歩くあなたを見て


第一印象は
謎が深い子で、もっと知りたい。

って興味が湧いたな…笑



もしかしたらもうその時から
惹かれてたのかもしれない

色んな表情を見せるあなたに

俺はもうどんどんはまっちゃって、
勘違いが多い二人だけど、



俺をこんなにも好きにさせて
こんなにもはまらせたのは


間違いなく、



保健室の君_____。




END

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