第22話

花火大会
1,826
2018/09/04 12:09

遂に今日は花火大会…



浴衣は青で白い百合の花が書かれてる

黄色の帯を締めて



髪型もお母さんにしてもらって
初めて………しょっかく。ってやつ作った、笑
化粧も少しして
はい、出来た!
貴方
貴方
うお、すごい
17:30でしょ?
もう出た方が良いんじゃない?
貴方
貴方
あっ、ほんとだ!
行ってきまーす!!

下駄を履いて急ぎめで駅に向かう

駅の近くになったら

ホームを出て少しくらいの所に居る亜嵐先輩
貴方
貴方
…すいません!遅れました!
亜嵐
亜嵐
あ!あなたちゃん!
いやいや、全然待ってないよ!

やっぱりいつもと変わらない
キラキラした笑顔の亜嵐先輩


亜嵐先輩も男の人の浴衣着てて
貴方
貴方
先輩、似合ってます。とても
亜嵐
亜嵐
なんか照れるな笑笑
あなたちゃんもめちゃくちゃ可愛いよ

あんまり言われ慣れてないから
恥ずかしくて俯いたら
亜嵐
亜嵐
あら、照れちゃった、笑
貴方
貴方
っ……‼
照れてないです‼

も、もう行きましょう!
そう言って歩きだしたら
亜嵐
亜嵐
あっははは笑
分かりやすすぎ笑
亜嵐
亜嵐
あと、そっちじゃなくてこっちだよ笑

そう言われて振り向くと

亜嵐先輩は私が行った方向と真逆の方向を指差して笑ってる
貴方
貴方
………行きましょう…
亜嵐
亜嵐
ふはっ笑
ごめん、ちょっといじめすぎた笑

そんなに照れるなんて思ってなくて、、

ってまだ笑ってる亜嵐先輩見たら


亜嵐先輩もこっち向いて
亜嵐
亜嵐
でも、ほんとに似合ってる。
可愛いよ
貴方
貴方
もー、だから
そういうこと言わないでください…
亜嵐
亜嵐
やべぇ俺
あなたちゃんツボだわ、笑笑

隣でケラケラ笑う亜嵐先輩と
少しふてくされてる私


傍から見たら変な二人なんだろうな、笑


少し歩いたら

屋台が見えてくる


結構賑わってて
亜嵐
亜嵐
うわー
すごい。結構人居るね
貴方
貴方
ほんとですね、笑
亜嵐
亜嵐
どこ回りたい?
貴方
貴方
え……

屋台行きたいけど、
でも食い意地張ってる
とか思われたくないし…

こういう時は金魚すくいとか言うべき、、??
亜嵐
亜嵐
………屋台でしょ。笑
貴方
貴方
えっ……?!
亜嵐
亜嵐
はい来た図星!笑
正直言うと俺も屋台行きたい笑
貴方
貴方
……屋台行きましょう、、笑
亜嵐
亜嵐
いぇーーい笑
入り口の所まで歩いていったら

やっぱり人が多くて


思わずはぐれそうになる

そしたら急に手を掴まれて
亜嵐
亜嵐
危ないね、笑
はぐれないようにしなきゃ笑
貴方
貴方
あっ……は、はい……
亜嵐
亜嵐
大丈夫だよそんなに焦らなくても笑
 何食べよー
って私の手を引きながら言ってる亜嵐先輩の後ろ姿は
頼もしくて。


男の人と来るの初めてだけど
素直に楽しめそうな気がした
貴方
貴方
んー………あっ、
たこ焼きとイカ焼き。
どっちが好きですか?笑
亜嵐
亜嵐
えー!究極ー!笑
どっちも好き。笑
貴方
貴方
………私もです、、笑
亜嵐
亜嵐
ふはっ笑
よし、じゃあ両方買おうか!笑
貴方
貴方
えっ?!笑
亜嵐
亜嵐
こーいうのなんていうか知ってる??笑

大人買い。ってゆーの笑
貴方
貴方
あ、、はい
亜嵐
亜嵐
え、ちょ、笑
急に冷静になるのやめて笑

そう言って笑いながら

たこ焼き屋さんの前に行って
亜嵐
亜嵐
たこ焼き1個くださーい

そう頼む亜嵐先輩が子供に見えて

貴方
貴方
私、イカ焼き買ってきましょうか?
亜嵐
亜嵐
いやいや!大丈夫!笑
はぐれたら困るでしょ?笑
そう言って握ってる手を見せてくる先輩


先輩は一年しか変わらないけど、、、

すごい大人だ


そんなこんなで両方買えて

2つとも先輩に奢ってもらっちゃった……
貴方
貴方
……ごめんなさい…
亜嵐
亜嵐
いーの!気にしない!笑

食べよ!
近くにあった椅子に座って
亜嵐
亜嵐
熱いから気をつけてね笑
貴方
貴方
そんな子供じゃないです、笑

でも食べてみたらほんとに熱くて
貴方
貴方
………熱い…

熱すぎて涙目になったら
亜嵐
亜嵐
もーー、ちゃんと冷ましてから食べるでしょ普通。笑
貴方
貴方
ごめんなさい、笑

ご飯を食べるのにも笑ってばっかで


食べ終わった頃にはもうすぐで花火が上がる時間
亜嵐
亜嵐
おっ、もうそろそろだ。
行こっか!
貴方
貴方
はい!
亜嵐
亜嵐
俺ね、良いところ知ってんの!
そこ行こ!
貴方
貴方
すごいですね!笑
亜嵐
亜嵐
前に友達と行った時にさ、
そこに行ったら

人も少ないし、花火もよく見えるし
ほんと最高でね?


…あ、ここからちょっと足場悪くなるよ

本当に少し足場が悪くなってきて

足元を見ながら歩いてたら
亜嵐
亜嵐
いやーでもほんとに
花火大会来れて良かったね笑
貴方
貴方
はい、笑
誘っていただいてありがとうございます笑
亜嵐
亜嵐
いやー、なんかさ
周りリア充ばっかで…………って
亜嵐
亜嵐
まじか………
ここにも居るし

小声でそういう先輩見たら

先の方見てて


その視線の先見たら
貴方
貴方
……………え

そこに居たのは



あのマネージャーの子と涼太くんで



……………キス………してて
貴方
貴方
………やっぱり………か

私のその声で

二人が私達に気付いたのかこっちを見る
涼太
涼太
えっ…………あなたちゃん……
亜嵐
亜嵐
え、あ、涼太じゃん
貴方
貴方
…………。
涼太
涼太
あなたちゃん。あの
これは違くて……
貴方
貴方
………え??
何が違うの、、、??

良いじゃんカップルで。
別に私、何とも思ってないよ…
思ってもないことが口から出て
本当は、
胸が苦しくて、痛くて、張り裂けそうで



二人が付き合ってる。
なんて聞かなくても分かったよ


涼太くんの隣は私じゃない。
その子だったんだ
亜嵐
亜嵐
え………
もしかしてあなたちゃんの好きな人って
………涼太??

先輩が小声で私に言ってくる



頷いたら
亜嵐
亜嵐
まじかよ………
貴方
貴方
先輩。私、もう帰ります……
亜嵐
亜嵐
えっ、ちょ、あなたちゃん!

もうこの場に居れなくて

浴衣着てるし下駄だけど

そんなの気にしてる暇なんてなくて
来た道を走って帰る


走って走って

人混みを通り抜けて


色んな人に見られるけど
もうどうでもよくて
人の声が小さくなった
って思った時




パシッ


誰かが私の腕を掴んだ
振り向いたら
亜嵐
亜嵐
……あなたちゃん
貴方
貴方
…先輩

なぜか先輩の顔見たら涙が溢れてきて
貴方
貴方
………ごめん…なさい……先輩……


私………
亜嵐
亜嵐
何があったの…??

先輩も走ってきたのか息が少し上がってて

近くに石で作られた塀があって
そこに座る
貴方
貴方
私、、、涼太くんのことが好きなんですけど

友達にそのことは前から相談してて、、
貴方
貴方
でも、、涼太くんは
あのマネージャーの子と付き合ってて
……まぁ本当かどうかは分からないんですけど
亜嵐
亜嵐
え、付き合ってるのか分かんないの?
貴方
貴方
いや、あの、
最初は私も聞いてなかったんで
本当かは分からなかったんですけど…
貴方
貴方
でももう、、、、
さっきの見たら聞く必要も無いですね、、笑

笑うけど、

自分でも笑顔が引きつってるのが分かる
亜嵐
亜嵐
だからこの前泣いてたのか~
貴方
貴方
あぁ、まぁ…笑
涼太くんのことで泣いてました、、
そっかー
って言ってる亜嵐先輩
貴方
貴方
あの、、ほんと、、
すいません…
亜嵐
亜嵐
んーん。大丈夫だよ

俺だってあんな場面見たら逃げ出しちゃうもん笑
貴方
貴方
せっかく
誘ってくれたのに……

そこまで言ったら

また涙が溢れてきて
亜嵐
亜嵐
あーもう、ほらほら笑
泣かない泣かない
そう言って
私の頭を引き寄せた先輩
亜嵐
亜嵐
あなたちゃんは
涼太が好きなのか…
貴方
貴方
………叶うはずないですけど…
亜嵐
亜嵐
あなたちゃん、涼太じゃなくてさ……

……俺じゃだめ?
貴方
貴方
……え?
亜嵐
亜嵐
涼太のことで悩んだり、泣いたりする
あなたちゃんを見てるのが辛いんだ
亜嵐
亜嵐
辛い思いしてる時に
こんなこと言うのもなんだけどさ……

俺、あなたちゃんが好きだよ

先輩がそう言った瞬間

花火が上がって


先輩の横顔が照らされる
貴方
貴方
…………私………
亜嵐
亜嵐
……返事、今じゃなくていいから。


私は………

その時浮かんでくるのは
なぜか涼太くんの顔で



だめだな私…

私のこと思ってくれる人がこんなに
近くに居るのに、
やっぱり好きなのは涼太くんで…
片思いがこんなに辛いなんて
知らなかった


改めて辛さを知ったら
また涙が出てきて
貴方
貴方
…………グスッ
亜嵐
亜嵐
ほら、花火が滲んじゃう!笑
笑顔で見よ!

現実の辛さに。
先輩の優しさと温もりに。

胸が苦しくて
ただ花火をボーッと見つめることしか出来なかった

プリ小説オーディオドラマ