第16話

自分の気持ち
1,933
2018/08/31 09:56
…………会いたくない

涼太くんの前で泣いたの、2回目。


って、まぁそういうことじゃなくて、



彼女が居るのに
私を見つけたよ。とか
来てくれて嬉しかった。とか

そういうことばっか言って
私の事期待させて、
貴方
貴方
はぁぁぁ……
クラスメイト 女
もー、またため息ーー
貴方
貴方
だって……
クラスメイト 女
うんうん。そうだね。
あなたは恋してたのに、
涼太くんは彼女を作っちゃったもんね。

まぁ、本当のところはどうか分からないけど
貴方
貴方
本当のところは。って………

涼太くんがニコニコして手振ってたの見たら本当も嘘もないよ…
クラスメイト 女
うーーーん

私は違うと思うけど。
でも、私がそう言ってあなたに期待させるのも駄目だし…
貴方
貴方
やっぱり私に恋なんて
1億年早かったよ
クラスメイト 女
もー、だったらさ
涼太くんと直接話したら?
貴方
貴方
昨日の帰り道話したよ…
貴方
貴方
でも涼太くん。
私が居たこと知っててね??
来てくれて嬉しかった。とか
見つけたよ!とか
めちゃくちゃ笑顔で言ってきて
貴方
貴方
そんなこと言って、期待させないで。
とかなんとか言っちゃって
貴方
貴方
まぁ、涼太くんは優しいからさ
私と一緒に帰ってくれて、

本当はあの子と帰りたい
って思ってるんだろうな。って
クラスメイト 女
…………………ねぇ
貴方
貴方
ん?
クラスメイト 女
今改めて思ったのがさ
あなたって被害妄想ひどいよね
貴方
貴方
え?
クラスメイト 女
もー、
涼太くんとあの子が付き合ってる。
って本人から聞いたの?
貴方
貴方
それは、、
クラスメイト 女
来てくれて嬉しかった。とか
見つけたよ!とか
その言葉を素直に受け入れなかった?
貴方
貴方
………まぁ
クラスメイト 女
本当はあの子と帰りたいんだよ。
って涼太くんから直接聞いた?
貴方
貴方
聞いてない、、、
貴方
貴方
でも、、!
クラスメイト 女
あなた、それは
涼太くんが可哀想だよ
貴方
貴方
え?
クラスメイト 女
涼太くんは本当に思ってることを
口に出しただけなのに、
あなたは受け入れてくれなくて
クラスメイト 女
その逆で。
口に出してもなくて、思ってもないことを
あなたに勘違いさせられて
クラスメイト 女
涼太くんは絶対にこう思ってる。
とか
涼太くんは期待させる。
とか
そういうこと言うけどさ
クラスメイト 女
一番期待してるのはあなたなんじゃない?
貴方
貴方
、、、え?
クラスメイト 女
”涼太くんはこう思ってる”
って自分の中にこじつけて
自分の気持ちから逃げようとしてる
クラスメイト 女
どうせ私には恋なんて出来ない。
じゃなくて
あなたは恋をしようとしてないよ。
貴方
貴方
………そんな
クラスメイト 女
本人に聞かないと、何も分からないし
本人が言わないと、どう思ってるのかも分からないし

そりゃあ恋ってこんなものだよ
クラスメイト 女
”好きだな”って思ったら。
自分の気持ちを隠さずに突き通すの

じゃないと結ばれることなんて
この先ずっと無いよ?
貴方
貴方
、、、そうなの?
クラスメイト 女
そりゃそうだよ!!

私だって今の彼氏に対してさ
すごいネガティブになってたけど
でもその度にね
私はこの人が好き。
って思い通したの
クラスメイト 女
ずっと思ってても叶わないことはあるよ

でも気持ちを諦めるより
ずっと思ってた方が
後の自分にとって、結果はどうであれ
良いものに繋がるから
貴方
貴方
そうなんだ、、
クラスメイト 女
だからまず。
あなたは自分の気持ちを確かめるの!
貴方
貴方
自分の、、、、気持ち
クラスメイト 女
そう。
涼太くんに対してどうなのか。
って
貴方
貴方
…………分からない
クラスメイト 女
涼太くんと居る時
ドキってしたり、楽しい!って思えたり
涼太くんが何気なく言った言葉に
胸が締め付けられたり。
そんなのを恋してる。っていうの
クラスメイト 女
逃げてばっかじゃ
恋はできないよ
貴方
貴方
私ね、
この前帰ってる時
涼太くんと借り物競争の話になって
貴方
貴方
涼太くんが
女の子と手繋いで走るだけだよ?
って言った時

なんか、、
胸がドクってなったの

そう言ったら
嬉しそうに微笑んで
クラスメイト 女
あなた、それはね。

”ヤキモチ”っていうの
貴方
貴方
やきもち、、
クラスメイト 女
そう。

もーー、なんだよ!笑
じゃあ結構前から恋してるんじゃん!
貴方
貴方
、、そうだったんだ
クラスメイト 女
いやもう鈍感すぎて困る
貴方
貴方
そんなの、、笑
クラスメイト 女
よし。
じゃあもう恋してる。って分かったでしょ?
貴方
貴方
、、、まぁ、、
クラスメイト 女
きゃー!!
よっしゃ、
じゃあ涼太くんとあの女の子の関係を
誤解してたら駄目だからさ。

ちゃんと聞いて!今日
貴方
貴方
きょ、今日?!
クラスメイト 女
当たり前だよ!
善は急げ!
貴方
貴方
え~……
クラスメイト 女
自分の気持ちに遠慮しないの!
クラスメイト 女
頑張れー!
貴方
貴方
わ、分かった
クラスメイト 女
よし!
クラスリレーの人達今終わったっぽいね
疲れたーー

って声が
少し開けた窓の向こうから聞こえてくる
クラスメイト 女
私達も終わろうか!笑
貴方
貴方
うんっ!笑
……聞いてみよう


怖いけど


〈涼太side〉

はぁぁぁぁ………
涼太
涼太
……はぁぁ
隼
どーしたの!
ため息ついて!
涼太
涼太
ねぇ、そういえばさ
俺ってあなたちゃんに嫌われてたよね
隼
え、、笑
なに急に、、笑
涼太
涼太
昨日さ
あなたちゃんに突き放された。
っていうかなんていうか……
隼
なに?なんかしたの?
涼太
涼太
なんか、、、
期待させないで。
って言われた
隼
あー
涼太
涼太
え?何か知ってるの?
隼
いやいや、知ってるっていうか。
涼太くんはちゃんと相手が居るんだから
涼太
涼太
え、、?
隼
え、、笑
もー、そりゃああなたちゃんだって
一緒に帰る。なんてちょっと抵抗あるでしょ
涼太
涼太
今まで帰ってたのに、、?
隼
今は涼太くんがそんなことしちゃいけないでしょ笑
涼太
涼太
なんで……??
隼
もーー笑
涼太くんって本当にある意味悪魔、笑
涼太
涼太
全っっ然
意味分かんねぇ
隼
いや、だからさ、涼太くんは……
そこまで隼が言ったら

隼が先生に呼ばれて


会話が終わる


”あなたちゃんだって一緒に帰るの抵抗あるでしょ”

隼の声が頭の中をループして



そっか、あなたちゃんは俺と帰りたくない。ってことか

……あなたちゃんに迷惑かけたな
やっぱり、
俺の気持ちとあなたちゃんの気持ちが
同じになるなんてありえなくて


今もまだ心に残ってるこの気持ちを
かき消して、あなたちゃんのことを諦めよう

先生
「よし、今日の練習ここまでー」

よし、
今日から一緒に帰るのを辞めよう。

あなたちゃんに無理させるなんてことしたくない
隼
終わったーーー
涼太
涼太
疲れたね、笑
隼
あ、横断幕行かなきゃ………って
クラスメイト 女
やっほ、お疲れ様
隼
え、なんで?
終わったの?
クラスメイト 女
まぁね、
もうすぐ終わるし。
いいかなーみたいな
隼
うわー、
そういうの駄目なんだー
クラスメイト 女
じゃあ来いや!笑
貴方
貴方
ほんと2人面白い笑

もう帰ろっか!
よし、
涼太
涼太
あなたちゃん。
貴方
貴方
ん?

俺があなたちゃんの名前呼ぶと

前に居た2人もこっちを振り返る
涼太
涼太
………一緒に帰るの。辞めよっか
貴方
貴方
…え?
涼太
涼太
いやー、やっぱ
あなたちゃんに無理させたくないし?笑
貴方
貴方
どういうこと、、?
クラスメイト 女
ほんとだよ!どうしたの急に
涼太
涼太
もう、一緒に帰るの辞めよう。
涼太
涼太
ごめんね急に。

じゃあね皆!
クラスメイト 女
えっ、ちょ、涼太!

俺がそう言うと

あなたちゃんは何も言わなくて

やっぱそういうことだったんだ。
って


ごめんねあなたちゃん


もう俺、
自分の気持ちに蓋するよ

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