イェナン side
あまりにあなたが可愛いことを言う
僕のおかげで星を見るようになったとか
そして流れ星に託した願いが心の中だけで言ったつもりが声に出てたようだ
薄着なあなたを後ろから抱きしめる
流れ星を見つめるあなたの目からも流れ星が流れる
そっと指で拭うとそれは涙だった
あなたの表情はどこか清々しかった
あなたをエスコートして助手席に乗せる
オープンカーだから夜風が心地よい
ふと助手席をみるとあなたは眠っていた
目の下にある濃いクマがあなたの過労を示していた
ガレージに車を停める
それでもあなたは眠ったままだった
静かにあなたを抱き上げ、自分の部屋のベッドに寝かせる
楽しい夢でも見ているのか笑顔で眠っている
横に並ぶとあなたの長い腕が僕に絡みつく
子供が寝る時にテディベアを離さないように僕に抱きつく
あなたの体温が心地良くて僕も夢の中に吸い込まれた
キノ side
朝起きてキッチンに向かうとロイさんが朝ごはんを作っていた
みんなの部屋をノックして起こしていく
最後にノックしたイェナニヒョンの部屋からは返事がなく、部屋に入る
どこかで嗅いだことのある甘い香水の匂いがする
あなたの匂いだ
ベッドに視線を移すと2人が仲良く抱き合って眠っていた
ロイさんの話だとあなたは夜遅くまで仕事をしていたはずなのに
どうして?
ちょっとばかり、ううんかなり嫉妬する
あなたを揺すると目を覚ました
あなたがヒョンを起こす
寝ぼけているのか身体を起こしていたあなたに抱きつき、ベッドに沈める
僕の声に反応して勢いよく起きる
2人の秘密が僕を苛立たせる
そっけない態度を取るつもりはなかったのに
部屋を出て、食卓に座る
2人が部屋にいたことを言うべきだろうか
色々と考えているとロイさんが僕にビンタをかました
気づけば僕は泣いていた
あなたは泣きじゃくる僕を抱きしめる
あなたの腕の中はあったかくてどこか安心した
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!