you side
病院に戻り、1人で寝た
朝、ロイの声で目が覚めた
看護師さんがガーゼを取り替える
傷を見ると縫合の跡がある
しかし傷は塞がっていた
バッグを持ち、病院を出る
そこにはたくさんのマスコミがいた
玄関の前に立ちフラッシュを浴びる
マスターの車の後部座席に座り、事務所へと向かった
事務所の裏口から入り、社長室へと行く
私は社長室を出て録音室のミキサーブースに入る
ケイトの美しい声が聞こえる
歌い終えると私は録音ブースに入った
私はミキサーブースに入り、ケイトの歌声を聴く
ケイトのパートの録音が終わる
ケイトと腕を組んで事務所近くのカフェに入る
ケイトはサンドイッチとアイスコーヒー、私はアイスソイラテを頼みテラス席で食べる
ソイラテのエスプレッソが苦く舌に残る
やっぱりわたしにはエスプレッソやコーヒーはどうも合わない
豆乳の甘味があっても子供舌な私はシロップを入れたい
ただシロップのカロリーを考えると躊躇してしまう
なんだろう、私の恋愛模様みたいだ
恋は苦くて私には難しい
まるでコーヒーやエスプレッソみたいに
そこにミルクや豆乳みたいに恋を誤魔化すような友情の線引きをしても、恋は誤魔化せない
ようやく嘘の気持ちというシロップを入れて恋は誤魔化せる
いつかブラックコーヒーやエスプレッソを好きになれるだろうか
そしたら、もっと楽しめるのだろうか
そんなことを思いながらソイラテを飲み干した
氷が溶けて薄くなっていた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!