you side
宿舎のリビングに入るとヨウォンは何かの本を読んでいた
よく見ると私のドラマの台本だった
私はマンションに戻り、台本を見ながらタバコを吸う
明日から始まる撮影に胸をときめかせる
撮影最終日
2ヶ月の撮影も今日で最後
ラストシーンの撮影だ
走って後ろからヨウォンに抱きつき、そのまま告白をするシーンだ
私は走って後ろから抱きつく
つもりがおんぶされた
カットがかからないのでそのまま言う
ヨウォンは私をおんぶしたまま、回る
私はヨウォンから降りるとそのまま、抱きつきキスをする
唇を離すとヨウォンからまた重ねられる
ふと涙が溢れる
唇が離れるとヨウォンが涙を拭う
また抱きつき、キスをした
しばらくしてカットがかかった
撮影が終わり、名残惜しくヨウォンから離れモニターを確認する
私はチャニョル先輩の車に乗り込み、打ち上げのお店に向かった
お店に入り、一番端の席に座ると隣にチャニョル先輩が座る
テーブルを挟んだ正面にはスタッフの方が座っていた
お酒がテーブルに運ばれる
私の前には赤ワインが置かれた
ワインは飲みやすくて一気に飲み干す
テーブルにはボトルが置かれ次々に注がれ飲んでゆく
気づけばボトルが3本空いてた
飲み過ぎてしまい、酔いが回る
昨日は深夜の撮影もあってか睡魔が襲う
チャニョル先輩の肩にもたれる
先輩が私の手を繋ぐ
手の体温が心地よい
私は酔いを覚ますために席を立ち、お店の外に出て電子タバコの蒸気を吸う
後ろを振り返るとヨウォンがいた
お酒を飲んだんだろう、顔がほんのり赤い
吸い終わり、席に戻る
するとチャニョル先輩が私の手に絡みつく
席移動をしたのかヨウォンが私の前のスタッフの横に座る
私はグラスに残ったワインを飲み切る
するとチャニョル先輩はお酒を注ぐ
話しながら飲んでいるとかなりの量を飲んでしまい完璧に酔ってしまった
私は先輩の肩にもたれ、抱きつく
私はヨウォンの腕にしがみつき、席を立ち事務所の送迎車に乗り込む
私は窓を少し開けて電子タバコを吸う
持っていた水を飲むと酔いが覚めた
裏口のエレベーターで上がり、自分の部屋に入った
と思ったらそこはマスターのバーだった
もう一度エレベーターに乗り込み、自分の部屋に入る
ヨウォンと2人きりになった
飲み直そうと思ったのにそんなことも忘れヨウォンに抱きついた
するとヨウォンは私を抱っこしたままキスをした
ドラマのハッピーエンドはおんぶだった
でも現実のハッピーエンドは抱っこだった
私は抱っこされたままベッドに倒れ込む
彼の腕から離れたくなかった
そういうとヨウォンは私の首に紅いしるしをつけた
その印は真っ赤な薔薇のようだった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。