イェナン side
撮影中、あなたは僕を真っ直ぐ見つめる
その視線が僕を突き刺す
撮影が終わり、ウソクの撮影が始まる
あなたはマスターと時折話していた
ウソクの撮影も終わり、あなたはライさんと喫煙所に消える
ちょっぴりアイラインをにじませたあなたが現れる
車に乗り込み、あなたはドライバーに道案内する
窓を開けて電子タバコを吸っている
時折ドライバーにイタリア語で道案内をする
あなたは洋楽を流す
歌詞を聴いて頑張って訳して理解してみる
君のせいでか何も手がつかないという歌だった
悲しい顔をして煙を吸い込む
あなたはフロントミラーで僕を見つめる
鏡の目に吸い込まれそうになる
店員さんに案内されてテラス席に座る
メニューに目を通すも何が書いてあるかわからない
そういうとマスターは紙ナプキンにメニューを韓国語に訳して書く
あなたは中国語に訳して書いてくれた
あなたは店員さんを呼び注文をする
マスターも続けて注文をする
すると店員さんはミモザを持ってやってきた
マスターとあなたはまた違う言葉で会話をする
2人の背景も合わさってドラマのワンシーンのようで絵になるカップルだった
口に入れるとポルチーニの香りが鼻に抜ける
マスターは店員さんを呼び止め、何かをオーダーする
店員さんは白い塊を持ってきて僕たちのリゾットに何かを振りかける
初めての白トリュフは黒トリュフとの違いがわからない
けど今まで食べたことがあるトリュフの中で香りも味も強かった
ミモザのグラスが下げられると白ワインが入ったグラスがテーブルに並べられる
全てスマートにこなせるマスターが羨ましい
食事を終え、車に乗り込みホテルに戻る
荷物をまとめてロビーに集まる
あなたは先にロビーのソファーで電話をしていた
楽しそうに電話をする相手は一体誰なんだろう
電話を切り、あなたは車に乗る
続いて僕たちも車に乗り、空港へと向かう
プライベートジェット専用のレーンを抜けて飛行機に乗り込む
あなたの隣はレイさんが座っている
2人は仲良くガールズトークをしていた
レイさんが喫煙所に行ったタイミングを図ってあなたの近くに行き、プレゼントのアクセサリーを渡す
レイさんがあるく音が聞こえる
プレゼントに目を落とした隙にあなたのおでこにキスをした
きっと僕の顔は飛行機の窓から差し込む夕陽で赤く染まっているだろう
胸の鼓動が止まらない
お昼に飲んだワインのせいだ
気圧の差で酔いが回りやすいんだと思う
席に座り、車に流れていた曲を聞く
確かにあなたに近づいたらダメだと思う
だって彼女は甘すぎるドラッグだから
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!