you side
宿舎のリビングに行くとイェナンはいなかった
階段を駆け上がり、屋上に行くとマスターと天体望遠鏡を設置していた
ネジを緩めたり、閉めたりして三脚を組み立てる
レンズを見ながらピントを合わす
覗くと視界いっぱいに満月が見れる
イェナンは私を抱き寄せるとキスをした
そういうとイェナンは私にリングが枝で鳥の羽の飾りがついた指輪をはめた
イェナンの指にも同じデザインのものが付けられている
イェナンにキスをして宿舎からマンションに向かう
ベランダに出てテキーラを飲む
見上げると月は大きく美しかった
私は指輪と共にその月を写真に撮り、インスタにあげた
月が美しいとハッシュタグをつけて
イェナンとは会えない日が続くが、夜の電話は欠かせない
今日はドラマの撮影で夜遅くまで続いていた
そろそろ電話をしたい時間だけどまだ撮影は続く
撮影が終わったのは深夜の2時だった
イェナンも寝てると思い、電話をかけなかった
マンションに帰ろうと思っていたが一緒に撮影していたチャニョル先輩から飲みに誘われた
車に乗り込み、チャニョルの車を追いかける
マンションのゲスト用駐車場に止め、入口で落ち合う
部屋に入ると綺麗に整理整頓されていた
ソファーに座る
キッチンに立ち、ライムとレモン、オレンジを絞る
ライムとレモンの果汁にテキーラを入れ、ステアし、炭酸で割る
もう1杯にはライムとレモンの代わりにオレンジにした
チャニョル先輩にグラスを渡す
それから色んなことを話しながらお酒を飲み進める
マスターに迎えに来てもらうために電話をする
電話が切れる
チャニョルから服を借りる
シャワーを浴びてトレーナーとスウェットに着替える
スウェットが大きくてずり落ちる
仕方なくトレーナーをワンピースみたいに着る
私はチャニョルに顔を近づける
チャニョルが私にキスをする
スマホを定点カメラのようにしてもう一度演技をする
撮れた映像を確認する
チャニョルのベッドに入り、眠る
アルコールが回っているのもあってかすぐに眠りについた
翌朝、携帯の電話で目が覚める
画面をみるとヨウォンとある
答えようとすると携帯が奪われる
電話をテレビ電話に切り替え、私と一緒に映る
そういうとチャニョル先輩は電話を切って私に投げた
チャニョル先輩が私に大きいパーカーを渡す
急いでパーカーに着替えてチャニョル先輩を追いかける
私は車に乗り込むとチャニョル先輩は助手席に座った
私もサングラスをして現場まで車を走らせる
その間、先輩はスマホでずっと誰かに連絡を取っているようだった
今日の撮影現場は大学だった
大学の中まで入り、車を止める
すると大学生に囲まれる
人混みの中、先輩は私の手を引いてキスをした
それからも先輩は私の手を繋いでいた
撮影クルーが見えたところで手を振り払った
今日の撮影は昨日の夜、練習したところだった
すんなりと撮影が進む
撮影が終わり、私は家に戻った
家でくつろいでいても暇に感じ、みんながいる宿舎に向かおうとガレージに降りる
車がガレージから出た瞬間、記者の人たちに囲まれた
たくさんの質問が飛び交う
車も出せずに困っているとコンシェルジュ達が記者さんを車から剥がした
私は車を走らせ、ひとまず私のビルに向かった
そこで車からバイクに乗り換え、宿舎に入る
リビングに入るとそこにはヨウォンとイェナンがいた
私はイェナンからもらった指輪を外し、テーブルに置いた
指輪をはめなおし、宿舎を出てバイクに乗り込む
するとヨウォンに呼び止められた
バイクにまたがり、マンションに戻る
部屋のベランダに出てタバコを吸い込もうとすると新月だからか月は見えなかった
それからドラマの撮影も続き、先輩とは仕事でもプライベートも一緒に過ごす
デートの様子がネットニュースに上がるたびにドラマの視聴率は上がっていく
毎日イェナンとの電話は欠かせなかった
ただネットニュースを見たイェナンは明らか声は沈んでいた
イェナンにどうしても会いたくなって月を見つめる
きっと見てくれてるだろう
ドラマの撮影最終日
撮影も終わり、打ち上げに行く
打ち上げは盛り上がり、思いの外お酒が進む
打ち上げが終わり、自分のマンションに帰る
リビングのドアを開けると強く抱きしめられた
嬉しくて目から涙が溢れた
並んでベランダに出ると満月が私たちを見守っていた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。