第117話

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2020/05/24 08:53
シノン side

あなたがマスターの指示で服を脱ぐ

始めは恥ずかしがっているのか胸を手で隠していた

けどマスターの一言でスイッチが入ったのか堂々とポージングしていく

ヨウォン
ヨウォン
プロ根性すごいよね
シノン
シノン
すごいよ

あそこまでできないよ
キノ
キノ
なにがすごいってモニターみてよ

最高の被写体に最高のカメラマンだよ?

信頼関係があるからあそこまで魅力が出るんだと思わない?
ユウト
ユウト
それ、一緒に撮影してて感じた

ライさんが主導権を握ってる訳でもあなたが主導権を持ってる訳でもない

お互いがお互いの動きを理解してるから撮れる写真だよね
レイ
レイ
兄さんもこの撮影で引退しちゃうし、私の大好きな作品はもう見れないのね
フイ
フイ
引退?

ライさん引退されるんですか?
レイ
レイ
兄さん、この撮影が最後の仕事なの

自分で引退するときは最高の被写体を撮って終えたいって言ってたの

だからルイはあなたをモデルに起用したんだわ
ホンソク
ホンソク
ルイさんなりの優しさなんですね
レイ
レイ
な訳あるか

ルイはもっと性格悪いぞ

あれは兄さんはこれで引退、大人しく結婚してあなたに関わるのはこれで最後にしろっていう意味
マスター
マスター
誰が性格悪いって?

姉さんほどじゃないし
レイ
レイ
よく言うよ

困ったときだけ私に頼って、そうじゃなかったらいばり散らしてる癖に

優しいツラして中身悪魔のくせに
マスター
マスター
姉さんこそ、良い奥さんがんばってよ
レイ
レイ
せいぜいあなたのナイトでもやってな

ずっと一緒に居て手を出してないってもはや怖いよ
マスター
マスター
うるさいな

姉さんみたいに遊び人じゃないんだわ
2人の喧嘩の声が聞こえる

マスターもずっとあなたのことが好きで大切に思っていたことがわかる

撮影が終わるとあなたはバスローブを羽織り喫煙所でタバコを吸う

するとライさんが追いかけて一緒に煙をくゆらせながら話している

明らか、あなたとライさんの顔は空元気だった

喫煙所から戻ってきたあなたは1人スタジオの隅で泣いていた
シノン
シノン
風邪引くよ?

服着なよ
(なまえ)
あなた
いいの、いまはこのままで
シノン
シノン
撮影、カッコよかったよ
(なまえ)
あなた
当たり前でしょ?

最高のメイクさんに最高のカメラマンがついてるのよ?
シノン
シノン
でも被写体が最高だからそれが生きるんだよ?
(なまえ)
あなた
ありがとう
シノン
シノン
それにしても今日の撮影はドキドキしたなぁ
(なまえ)
あなた
マスターのコンセプト、理解できないよ笑笑

だって私猫だよ?
シノン
シノン
あなた、猫に似てるじゃん

近寄ったかと思うと離れて、そして急に甘えだすし
(なまえ)
あなた
じゃあ今日はシノンに甘えるね
レイ
レイ
おい、あなた

泣くなよ、アイラインが滲んでるだろ
(なまえ)
あなた
姉さん、ごめんね
レイさんがあなたのメイクを直す
レイ
レイ
この後、ご飯いくよ

ルイの店でパーティーするんだから着替えてらっしゃい

みんなはそのスーツのままでいいから
(なまえ)
あなた
シノン、ついてきて
あなたは僕の腕を引いてメイクルームに行く

メイクルームにはドレスがかかっていた

慣れた手つきであなたはドレスを着る
(なまえ)
あなた
シノン、チャックあげて
あなたは髪をかき上げて後を向き、無防備な背中を晒す
シノン
シノン
チャック、あがったよ?
(なまえ)
あなた
ありがとう
正面を向いたあなたは美しくて言葉がでなかった
(なまえ)
あなた
どう?綺麗?
シノン
シノン
綺麗だよ

本当に綺麗
(なまえ)
あなた
ありがとう
上目遣いで僕の目を捉える

あなたの目に吸い込まれるようにキスをする
シノン
シノン
今日は嫉妬してばっかだなぁ
(なまえ)
あなた
え?
シノン
シノン
だってみんなとの撮影では距離近いし、人によってはキスしちゃうしさ
(なまえ)
あなた
私は1番、シノンとの撮影がドキドキしたよ?

だってシノンの表情、素敵だったから
シノン
シノン
そう?嬉しい
(なまえ)
あなた
ほら、行こ?

パーティー楽しみだなぁ
あなたと手を繋ぐ、自然と指を絡ませてきた

その手を離したくないと思う
ホンソク
ホンソク
いつまで2人手繋いでるの?
(なまえ)
あなた
別にいいでしょ?
それからみんなで車に乗り込む

あなたは運転席に座る

助手席に僕は座る

窓を開けて風に髪の毛をたなびかせている

助手席に初めて座って気づいたことがある

あなたの運転姿に惚れないやつはいないと

バックする時の振り返った時の首筋、ハンドルを握る手、信号待ちの時に吸う電子タバコ、全てにおいて魅力を感じる

車から降りてマスターのお店に入る

初めてあなたに出会った時に入った地下ルームに行く

するとマスターにライさん、レイさん、ロイさんと今日のブランドの関係者などが集まっていた










you side

パーティー会場に入るとロイに話しかけられた
ロイ
ロイ
お疲れ様
(なまえ)
あなた
これはブランドの記念パーティー?
ロイ
ロイ
ああ、表向きはな

本当はライ兄さんの花嫁披露だけどな
(なまえ)
あなた
そっか
私は人混みから離れて電子タバコを吸う

するとシノンがやってきた
シノン
シノン
飲まないの?
(なまえ)
あなた
うん、ハンドルキーパーだし

それに今回のパーティーはファッション界の重鎮ばかりよ?

ほら、有名雑誌の編集長にブランドのデザイナー、挨拶回りをするのに酔っぱらうわけにはいかないわ
シノン
シノン
仕事熱心だね
(なまえ)
あなた
当たり前でしょ?

もし、私が泣いたら抱きしめてくれる?

いつものように優しい腕の中で
シノン
シノン
もちろん
タバコを吸い終えて、挨拶回りに行く

ライのことなんか忘れてみんなを売り込むことに集中する

するとパーティー会場の照明が落ちてステージが照らされる

そこにはライと知らない女性がいた
ライ
ライ
この度、私ライはカメラマンを辞めて実家の仕事に専念します

今日は最後の仕事としてジュエリーブランドのプロモーション、モールのプロモーションが出来て嬉しく思います

最高のモデルをしてくれたpentagonの皆さんには感謝しきれません

最後に結婚する女性の挨拶をさせて下さい
女
はじめまして

ライさんと結婚することになりました

よろしくお願いします
清純でライの3歩も後を歩くような控えめな女性だった

私とは真逆のタイプだった

お似合いで2人で照れあってる姿を見て視界がぼやける

すると後ろから手を引かれて人混みから離れ、隅にいく

ふわっと抱きしめられた

暗闇で顔がよく見えない

けどこの優しい温もりはシノンだった
シノン
シノン
泣きたいんでしょ?

ここなら誰にも見つからないから
私はシノンの優しさに甘え静かに泣いた

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