マイキーside
兄貴のように、叱って欲しかった。
たけみっちは兄貴に似てるから。
でもそれだけじゃなくて、
突き放しても突き放してとそばに居てくれる人が欲しかった。
"ずっとそばに居る"という言葉を俺は信じきれていなかった。
だからそれを試すようにあなたを突き放した
けどあいつは俺の気持ちを分かっているかのようにずっとそばにいてくれた
そんな奴が、いなくなる。
そう考えただけでも背筋がゾクッとした。
俺はその重みに耐えられるのだろうか。
あいつのおかげで抑えられていた黒い衝動がまた襲いかかろうとする。
武道「助けてって言えやぁぁあ!!!!!!」
武道の言葉をふと思い出した。
俺はぐわっとあがってくる涙を抑えて言った。
マイキー「助けてくれ…たけみっち。」
そう言って武道の手を握った後のことは覚えていない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!