第58話

55話_
1,716
2023/05/21 12:05
あなたside











             
私はそこらじゅうに転がった亡骸を抱きしめる











小さい子供もいれば年寄りもいる









中には私が暮らしていた時に生まれてきた赤子も…










私を育ててくれた叔父さんも











みんな家族












みんな仲間











守らなかった











小さい子供くらい、、










守れたのではないか












小さな命










まだ大きな未来があるはずだったのに











???
ねー……ん!!
???
……ちゃん!!
女の子
おねーちゃん!!
女の子
おかあさんがああ
女の子
おかあさんがああ!!
女の子は叫びながらかんざしを持っている
あなた

佳代さん、、佳代さんのところの、、娘さん、、?

佳代さんとは私のお姉さん的存在であった











どんな時もまるで姉のように接してくれた











私がここを離れた時には20超えてるくらいだったけど












そういえば触らせてもらったな











佳代さんのお腹











ああ、、












ごめんね、












ごめんね
あなた

ごめんね

そう私は泣きながら女の子を抱きしめた


あなた

ごめんね








私は女の子を抱き抱えながら一緒にずっと泣いていた










その晩私は村に泊めてもらった













大勢死んだが村の大半は殺られていなかった











村の人達からは感謝される











ある人はあなたか、、と抱きしめてくれる











ある人は立派になったね、、ありがとう、と












村長さんからも長居する許可は貰ったが私は帰ることに決めた













私がここにいる訳にはいかない












私は感謝されていい人ではない












守らていた命が、未来があったはず











もっと、もっと強く
あなた

一晩泊めて頂き有難うございました。葬儀には呼んで頂けたら幸いです

村長
ああ、勿論だ。有難う。あなた
あなた

いいえ、力及ばずでごめんなさい。私でごめんなさい。もし他の隊士が来ていれば…

あなた

救えた命があったかもしれない

村長
あなた。儂らは感謝しているよ。有難う







私は女の子から貰った叔父さんの形見を握り帰った




〜一方その頃〜






御館様
新しく柱になった者がいるよ








御館様
みんな知っているであろう、、









御館様
あなたを綠柱に任命する
不死川 実弥
お館様。肝心の栗花落が見えないのですが
御館様
あなたは今長期任務に出ているよ
御館様
あなたにしか頼めない重要な長期任務にね

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